TVで大相撲を見るようになった。テレワークで家にいるようになったのが原因だ。
夕方5時になると仕事を終えて、TVをつける。これもきわめて老人ぽいなあ。
大谷翔平の試合は見るが、プロ野球も高校野球もかなり前から興味を無くした。代わって、相撲が面白くなってきたという感じだな。
昨日(7月18日日曜日)の名古屋場所の千秋楽の結びの一番は、横綱白鵬と大関照ノ富士の全勝対決だった。
前評判は白鵬はまだ復調途上であり、照ノ富士の勝ちを予想する声が7割という感じだったようだ。これが歴史に残るような「ケンカ相撲」で物議を醸した。
いわゆるカチアゲ(カツアゲではない!)は、たとえそれが顔面に対してでも現行のルールでは反則ではない。しかしかなり危険度が高く、顔面カチアゲを反則にすべきだという意見が少なからずあるようだ。
この立ち合いのカチアゲの後、白鵬は張り手を照ノ富士の頬に食らわせる。これに逆上した照ノ富士も張り手を繰り出すが、明らかに照ノ富士は冷静さを失った。
その後四つに組むが、白鵬が四つから左上手で照ノ富士の右カイナを持ちさらに右下手でも挟み連続の腕が折れそうになるような渾身の小手投げ。
投げというより関節技に近い。反則の規定はないのだろうなあ。これにはたまらず、照ノ富士は横転して勝負あった。これは、明らかに白鵬の作戦勝ちだろう。
NHK解説の北の富士は「ここまでして勝ちたいか」と言っていたが、まさに宮本武蔵流の先手必勝の必殺技の組み合わせだ。批判はあろうが、これをやれる白鵬というのは凄いの一語である。
今となっては宮本武蔵の兵法を「そこまでして勝ちたいか」という批判が皆無なように。
これで45回目の優勝。6場所連続休場した後の優勝だ(史上初の記録)。
36歳の白鵬は、2007年7月に69代横綱になって14年になるが、横綱としてはこの勝利が899勝目だ。
年初にはコロナに感染したし、3月には思い切って一か八かの右膝の手術も敢行。四股を踏み始めたのは5月末という急仕上げで臨んだ今場所だけに全勝優勝は奇跡と言ってもいいだろう。
これを機に白鵬のwikipediaや妻紗代子及びその父和田友良(徳島の実業家)の事などを調べていたら小一時間過ぎてしまった。
この和田友良氏は買春で逮捕歴があるのだが、「超一流の成功哲学」なる著書(続編もある!)あるなかなか面白い人物のようだ(笑)。
それはともかく凄い勝負を見せてもらった。
(2021.7.23「岸波通信」配信 by
三浦彰 &葉羽)
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