「windblue」 by MIDIBOX


今年も映画館に足を運んだのは、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場のオペラ公演を映画化して2~3週間後に日本で上映するという「メトロポリタン・オペラ・ビューイング」を3作品見ただけ。

 自慢ではないが、いわゆる映画は1本も見ていない。年間約70本の映画を見たが、①TV録画して見た②TVで直接見た③DVDで見たかの3種類である。

 ③は天才ファッションデザイナーで自殺したアレキサンダー・マックイーンの伝記映画、パンクファッションの女王ヴィヴィアン・ウエストウッドの半生を描いた伝記映画の2本だがどちらも傑作だが対象外にした。最近こういうデザイナー伝記映画がやたら多いように思う。

 それと、昨年から始まった4K放送に加えて8K放送が始まった。8Kは凄いぞと友人が言っていた。拙宅のTVには4K受信機能すらないはずだが、画質がかなりアップしたように思うのだが、気のせいだろうか。

 NHKBS4Kシアターで過去の名作映画を再視聴するというのが楽しみになっている。そこでベスト10の第1位と第2位はそのNHKBS4Kシアターで見た往年の傑作だ。

1.「アラビアのロレンス」(1962年 デヴィッド・リーン監督)

 いやあ本当に素晴らしい映画である。

 映画館で見たこともあるが、歳をとってから見るといろいろと分かってくることが多いものだ。

 掛値なしに世紀の傑作である。

    

2.「わが命つきるとも」(1967年 フレッド・ジンネマン監督)

 これも見るのは2度目だが4K効果なのか素晴らしい映像に感心させられる。

 登場5分間で強烈な存在感を示したオーソン・ウエルズ(ウルジー枢機卿役)が素晴らしい。

    

3.「おみおくりの作法」(2013年 ウベルト・パゾリーニ監督)

 なんとも救いようのない傑作映画である。

 黒沢明監督の「生きる」(1952年)と滝田洋二郎監督の「おくりびと」(2008年)をお手本にしているのかな。

    

4.「アメリカの友人」(1977年 ヴィム・ヴェンダース監督)

 この頃のジム・ジャームッシュ映画は「ベルリン天使の詩」に代表される薄っぺらなヒューマニズムが好きになれないけれども、これはサスペンス仕立てでなかなか面白い。

    

5.「パターソン」(2016年 ジム・ジャームッシュ監督)

 ジム・ジャームッシュ監督の最高傑作かもしれない。

 パターソンという田舎町の平凡な生活に起こる波風を静かに描く。永瀬正敏はこの町を訪れる日本の詩人として登場する。

    

6.「めぐりあう時間たち」(2002年スティーヴン・ダルドリー監督)

 女流作ヴァージニア・ウルフの人生を不思議な手法で追った作品。「ダルドリー監督の作品好きだなあ。

    

7.「恋のゆくえ/ファビュラス・べイカー・ボーイズ」
  (1989年スティーヴ・グローブズ監督)

 1980年代後半の映画らしいオシャレな作品でミシェル・ファイファーの代表作だろう。

    

8.「幕末太陽傳」(1957年)

 鬼才川島雄三監督の最高傑作にしてフランキー堺の代表作。

    

9.「蜘蛛巣城」(1957年)

 やはり黒沢映画は面白い!シェークスピアの「マクベス」が原作。

 三船敏郎の再評価が進んでいるが、確かにこの男優は凄い。

    

10.「マッチポイント」(2005年)

 ウッディ・アレン監督映画は波長が合う。

    

 11位から30位の10本は題名だけ挙げておく。

11.「ミルカ」

12.「パッセンジャーズ」

13.「クロノス」

14.「影の軍隊」

15.「女神の見えざる手」

16.「エスター」

17.「海賊じいちゃんの贈りもの」

17.(同順)「白い沈黙」

18.「ユージュアル・ネイバー」

19.「眠られぬ夜のために」

20.「ビッグ・アイズ」

21.「オデッセイ」

22.「アトミック・ブロンド」

23.「愛を読むひと」

24.「父親たちの星条旗」

25.「トラッシュ!この街が輝くまで」

26.「ワンダー 君は太陽」

27.「誘拐」(日本映画)

28.「ある公爵夫人の生涯」

29.「エリ 200歳の少女」

30.「キャッチ・ミー・イフ・ユウ・キャン」

 なおすでにこのコラムで取り上げた作品はこのベスト10プラス20本では対象外にした。
                

(2019.12.20「岸波通信」配信 by 葉羽&三浦彰)

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