「windblue」 by MIDIBOX


先月からAmebaブログを始めてみた。ということで、管理人にチョイスしてもらって、こちらの記事にまとめてもらうことにした。

 まず一回目はお馴染みのTV映画鑑賞記。対象は5本分である。

◆TV録画で映画「グロリア」を観たがちょっと失望

 TV録画で映画「グロリア」(1980年 ジョン・カサヴェテス監督)を観た。

 昔観た名作映画をこうしてTVで再視聴すると、必ず新しい発見があって感心するケースが殆どだが、この作品はなぜかそうではなかった。

 カサヴェテス監督(1929〜1989)の妻だったジーナ・ローランズのまさに代表作だが、事件に巻き込まれ方とか、取り引きのやり方とか、感情の抑え方とか、この女殺し屋が今までドジを踏まずに生き延びてこられたのが、不思議に思えてしまったのだ。まあ細かく書くのはよすが。

グロリア」

 ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を取ったというが、それほどの作品には思えない。子役がスレッからしで、感情移入できなかったのも原因かもしれないが。

 カサヴェテスの監督としての評価は高いが、この作品に懲りずもう少し観てみようか。

 それにしても、カサヴェテスはいやに早死(享年59)にしたものだ。

◆荻山直子の映画で期待したが「レンタネコ」はそれほどでも

 TVで映画「レンタネコ」(2011年 荻上直子監督)。

 猫のレンタルを行商でする30女を取り巻く人間模様。「かもめ食堂」「トイレット」の荻上直子の監督・脚本なので期待したがそれほどでもなかった。

レンタネコ」

 市川実日子が演ずる30女は猫好きの祖母の死による喪失感を埋めるためにこのレンタネコを始めたというが、本業は株売買や占い。

 結婚願望は強いが、相手がいるわけでもない。

 コメディタッチではあるが、なんか浮世離れし過ぎて、もしかしたらこの30女は霊界を彷徨っているのではないか、という気もしてくる。

 このあたりを突き詰めたら、もっと面白くなったかもしれないが。

 尺は1時間40分。

◆映画「依頼人」はブラッド・レンフロの独り舞台

 TV録画で映画「依頼人」(1994年 ジョエル・シューマカー監督)。

 ジョン・グリシャム原作の傑作サスペンスの映画化。

 弁護士役のスーザン・サランドンは事件を1ドルで依頼してきた11歳の少年とともにマフィアの陰謀を暴く。

依頼人」

 高評価の映画だが、少年を演ずる名子役のブラッド・レンフロの独り舞台。

 証人保護プログラムでもっと簡単に事件は解決したと思うがそれだとサスペンス映画にはならないか。

 レンフロはオーバードーズのために25歳で早逝するが、どうもアメリカの名子役は薬で早死にするケースが多い。

 弁護士役のサランドンの演技がやはり魅せる。

◆映画「ボブという名の猫」でロンドンのホームレスの厳しさを知る

 スターチャンネル1が土日に行っている無料映画放映で「ボブという名の猫 幸せのハイタッチ」(2016年 ロジャー・スポティスウッド監督)を昨夜観る。CM無しなのでついどうでもいい映画も観てしまう。

 本作はいわゆる「猫映画」で、ヤク中のストリートミュージシャンと野良猫ボブがヤク中から立ち直るまでを書いた体験本がベストセラーになってホームレス救済の慈善家になるまでのハートウォーミングサクセスストーリーというが、まあ麻薬撲滅キャンペーン映画みたいな作品(尺は103分と手頃)。

 監督は「007 /トゥモロー・ネバー・ダイ」なども監督している何でも屋。

ボブという名の猫

  当然ロンドンのホームレスの実態が描かれているが、なかなか厳しいものがある。

 ブレグジット騒ぎはもう2016年6月23日のEU離脱賛成の投票結果発表以来実に3年になろうとしているが、同年公開されたこの映画の風景よりも、首都ロンドンはさらに荒廃しているのだろうなあ。

 貧富格差なんて四文字熟語で簡単にいうがかなりギリギリのところまでいっているのだろう。

 そうでなければ、半ば自暴自棄とも思えるブレグジット可決なんていう結果が出るわけがない。

 世界の混迷はとどまることを知らずどんどん深みに突き進んで行くようだ。

脱税王スナイプスがよく捕まる映画「7セカンズ」をポカ〜ンと観てしまう

 TVで映画「7セカンズ」(2005年 サイモン・フェローズ監督)。

 ルーマニアの首都ブカレストのカジノ売り上げ強奪団とロシアマフィアの対決にルーマニア憲兵隊の女軍曹(写真左:タムジン・アウスウェイト)が絡むというB級映画になりきれないC級映画。

 しかしストーリーがなかなか複雑でポカ〜ンと観てるとどうなってんの?

 一部に絶対的ファンがいるらしいウェズリー・スナイプス(写真:右)が主演なのが最大のウリ。

 私はスナイプス映画は初めてだが、ポカ〜ンと1時間41分観てしまって大反省。

 予算の都合かロケ地もブカレスト。ブカレストといえばダダイズムの創始者トリスタン・ツァラだが、そんな格調とは無縁。

7セカンズ

 しかし冒頭の濡れ場でもコイツがまさか主役のスナイプスとは分からなかった。

 ナイナイの岡村の大型黒人バージョン(といってもWikipediaでは175㎝とある)みたいで、「あんたよく見るとハンサムね」なんて女憲兵隊軍曹のタムジン(写真からもわかるがホウレイセイがキツイ公開当時35歳のオバハン)からは言われる始末。動きもスローモーでよく捕まる。

 そんなことより、スナイプスのWikipedia見たら、脱税で罰金500万ドル!2010年7月から禁固刑3年(短縮で2年9カ月&3カ月保護観察)の実刑を食らってるんですな。

 臭い飯食ってるんだと言っても、脱税じゃあんまり勲章にもならんよ、スナイプス君。

 まあ、映画の方はドンデン返しもあって、メデタシメデタシなんで許されるんでしょうが。

                

(2019.7.3「岸波通信」配信 by 葉羽&三浦彰)

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