十連休したが、外出は3日だけ(それも短時間)でほぼキャンプ状態。
映画とドキュメンタリーをメインに(TV録画がほとんど)1日10時間はTVにかじりついていた。他には十連休中に5日も開催があった競馬観戦ということになる。
こんな期間に帰省や旅行するのは馬鹿げているとは思いつつも、情けないというか、映画12本を採点して、言い訳にしておく。
以下採点はS(大推薦)、A(推薦)、B(まずまず)、C(普通)、D(駄作時間の無駄)。
1 「最強のふたり」(2011年) S
身障者の大富豪と前科のある黒人介護士の交流をパリを舞台にユーモラス&スタイリッシュに描く。
昨今のイエローベスト運動なんか見ているとこんなことあるわけないだろうと思うが実話に基づいているらしい。
2人の脚本家が共同監督しているが、映画は原作と脚本次第ということを改めて感じた。
2 「俺たちに明日はない」(1967年)A
3度目の視聴である。アメリカ映画史に燦然と輝く名作だ。やはり見るたびに発見がある。
クライド役は最初ボブ・ディランを予定していたとか、ボニー役にはナタリー・ウッド、シャーリー・マクレーン、ジェーン・フォンダなどが候補だったとか、監督はトリュフォーを予定していたとか裏話も面白い。
確かにボニー役のフェイ・ダナウェイはセクシーでゴージャス過ぎるのだが、それはそれでもう歴史になってしまった。
3 「ベニスに死す」(1971年)A
言わずと知れた巨匠ルキノ・ヴィスコンティが手掛けた中で一番有名な作品。2月にヴェニスに行ったので、NHK BSで放映していたのを再視聴。
主人公と美少年タジオ一家が宿泊しているホテルがあるのはリド島で、これにヴェニス本島が登場している。
過去と現在、リドとヴェニス本島が交錯する複雑な構図に今回初めて気づいた。
それにしても、タジオ一家はなんであんなに歩き回っているのだろうか。
4 「ものすごくうるさくて、あり得ないほど近い」(2011年)A
アメリカには、9.11文学というジャンルがあるらしいが、そのジャンルでの傑作小説の映画化。
父を亡くした少年が父の遺品の謎を探るうちに、その心の傷が癒えていくというストーリー。
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「ものすごくうるさくて、あり得ないほど近い」(2011年)
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父役はトム・ハンクス、祖父役はマックス・フォン・シドー、母役はサンドラ・ブロック。
少年役(トーマス・ホーン)が名優たちを食う素晴らしさだ。
5 「ザ・ファーム」(1993年)B
トム・クルーズはハーバードの優秀成績者で、 メンフィスにあってマファアの資金洗浄をしている会計事務所に年俸9万6000ドルでスカウトされるが、その真相を知り、消される前に退社するために、その悪事を告発するというストーリー。
シドニー・ポラック監督らしい話の運びの巧さだが、 策に溺れた感あり。
6 「遠い喇叭(らっぱ)」(1964年)C
久しぶりに騎兵隊が馬に乗ってインディアンと戦う西部劇を観た。
ただし、騎兵隊少尉(トロイ・ドナヒュー。写真)がアパッチ族の酋長と降伏交渉をするなど従来とちょっとニュアンスが違う。
この少尉はラストでは軍務大臣に対してインディアンの扱いがおかしいと勲章を突き返す。
最後の西部劇と言われた1959年の「リオ・ブラボー」(ハワード・ホークス監督、ジョン・ウェイン主演)から集団アクションの「荒野の七人」(1960年)を経て、イタリアでは同じ1964年にマカロンウエスタンの記念すべき第1作「荒野の用心棒」が公開されている。
7 「凍える太陽」(2011年)C
飛行機が墜落して、生存者7人が寒さと狼と苦闘するサバイバル映画。
妻を亡くしたリーアム・ニーソンの喪失感表現が泣かせる。
墜落シーン、狼の襲撃シーンの迫力が凄い。
8 「オーシャンズ」(2009年)C
窃盗団が大金狙って...の映画かと思ったら海洋ドキュメンタリー映画だった。
映画のストックげなくなり、こんな映画も観た。
水族館レベルの映像が多かったが、砂浜から海へ走る孵化したばかりの海亀の子を襲う軍艦鳥の映像がショッキング!
9 「48時間PART2」(1990年)C
そもそも「48時間の続編じゃないじゃないか」 なんて固い話は無し!!
︎セリフがシャレてて、アクションが派手ならいいじゃないですか。
しかし、この頃なのだね、白人ダサくて、黒人カッコいいというのが広く知られるようになったのは。
エディ・マーフィー、サイコー。
10 「007 ダイヤモンドは永遠に」(1971年)D
これは日本を舞台にした「007は二度死ぬ」(これ封切りを葉羽と観に行った記憶あり)と並ぶ全24作中のワーストではないだろうか。
とにかくボンドガールということになってる当時31歳のジル・セント・ジョン(写真)が、ガールじゃないエロいオバさんに終始。
なんかヘンリー・キッシンジャーとも噂ありってWikipediaにあるがどういう女優なんだ。
さらにストーリーがひどく分かりづらい。
11 「ファイナル・ブラッド」(2017年)D
ジャン=クロード・ヴァン・ダム(1960〜)主演の救急病院を舞台にしたガンファイトアクション。
ヴァン・ダムの動きがかなり鈍くなっている。実の息子が敵の一味のメンバーで対決もある。
また最後にどんでん返しがありって言ってもねえ。
安手のD級映画。
12 「湯が沸くほどの熱い愛」(2016年)E
末期癌の銭湯の女将(宮沢りえ)の奮闘記。
ぐうたら亭主(オダギリジョー)ともに超弩級のミスキャスト。
台詞、演出ともにアマチュアレベル。
例えば、葬儀の後に霊柩車を河原に止めて 飲み食いをするが、それが故人との思い出を振り返るといった趣きではなく、ただの打ち上げ。
棺桶から宮沢りえが「ああ、しんどかった」と出てきそうな勢いなのだ。
人間に対する見方のあまりの軽さに開いた口が塞がらない。
(2019.5.12「岸波通信」配信 by
葉羽&三浦彰)
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