オペラのシーズンは、新国立劇場の場合10月に始まって、6月に終了して夏休みに入る。
本稿では12月までの「ワルキューレ」(ワーグナー、10月)、「ボエーム」(プッチーニ、11月)、「セビリアの理髪師」(ロッシーニ、12月)、「カルメン」(ビゼー、1月)、「蝶々夫人」(プッチーニ、2月)までをご紹介している。
しかし考えてみるとこのラインナップは名作オペラのオンパレードで、もう少し珍しいオペラを上演して欲しいのだが。
その後、3月「ルチア」(ドニゼッティ)、4月「オテロ」(ヴェルディ)、4月「フィガロの結婚」、6月「ジークフリート」(ワーグナー)と続いたわけだが、この中では3月の「ルチア」と6月の「ジークフリート」が圧倒的に素晴らしかった。
「オテロ」は肝心のオテロ役がちょっと不調気味でさらにオテロに不倫を疑われるその妻のデズデモナが成熟しすぎて・・・・。
(※右の背景画像:「オテロとデズデモナ」撮影:寺司正彦/提供:新国立劇場)⇒
「フィガロの結婚」はまあ不満はなかったのだが、私はモーツァルトのオペラがそんなに好きではないので。
「ルチア」は何といっても、ルチア役の美貌の歌姫オルガ・ペレチャッコ(37歳)の狂乱の場が本当に息を飲むほど素晴らしかった。
初夜の褥で新郎を刺殺し流血を浴びて、その生首を槍に刺して大広間に参上って、美人じゃなきゃキモイだけ。
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「ルチア」流血を浴びた美貌の歌姫オルガ・ペレチャッコ
(撮影:寺司正彦/提供:新国立劇場)
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「ジークフリート」はまさに世界最高のワーグナー・テノールのステファン・グールドの独り舞台。ほぼ3時間半、歌い演じ続けなければならない。
驚きは最後の第3幕でも全く声に疲れがなかったこと。これは、1人分のギャラでは済まないはず。
ひとつだけ不満を言うと、第2幕に出てきてジークフリートに退治される大蛇がまさにオモチャみたいだったこと。
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大蛇を退治するジークフリート
(撮影:寺司正彦/提供:新国立劇場)
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これは大蛇に見えないよ。ツナギ着ているジークフリートもドラえもんのジャイアンに見えてしょうがなかった。
英雄ジークフリートも太りすぎだが、まあこれだけ声を出し続けるのでしょうがないが。
ちなみに、前回紹介したアンミカさんとのツーショット。これは新国立劇場でオペラの開始前のパーティでのツーショットでしたな。
(2017.7.15「岸波通信」配信 by
葉羽&三浦彰)
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