2月末ともなると、長かった冬に別れを告げて婦人服売り場にも今年の春物が所狭しと並ぶようになる。
さて、ラグジュアリー・ブランドからファストファッションまで今春のウィメンズウエアのトレンドはどんな具合なのか。これだけは押さえておきたいいくつかのポイントを紹介してみよう。
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2016年春夏
プレタポルテ・コレクション
(セリーヌ) |
まずカラーだが、これは圧倒的に「白」だ。すでに15-16年秋冬でも「白」がシーズンカラーとして活躍していたのは、皆様が街中で御覧になった通りだが、今年の春ではさらに大躍進。
(※右背景画像:2016年春夏パリ・コレクション/セリーヌ)⇒
上から下まで「オールホワイト」や「ホワイト・オン・ホワイト」のコーディネートまでありそうだ。透ける(シアー)素材とミックスした白がお勧めだ。もちろんバッグやシューズでも「白」の活躍は必至である。
重苦しい世相の中で女性たちは「白」を求めるというのはファッションの世界ではセオリーである。
また「白」に次いでは「ピンク」を推しておく。ピンクベージュ、サーモン、フューシャなどバリエーションも豊富だ。同じコーラル系で「オレンジ」も押さえておきたい。
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2016年春夏パリ・コレ
(セリーヌ) |
プリント柄では「ボタニカルフラワー」に注目したい。単なる花柄ではなく枝や葉がついた花をモチーフにしたものだ。
合わせる素材は柔らかなシフォンや光沢のあるシルクサテンなど。アニマルモチーフも引き続き人気になるだろうが、ニューフェイスとして注目したいのは「ネコ」である。
アイテムで注目したいのは、まずブルゾンっぽいジャケットである。いわゆるスカジャン(これは和製英語で横須賀ジャンパーの略語である)である。秋冬によく見かけたMA-1スタイルを受け継いだアイテムといえるだろう。
シルクサテン素材のブルゾンでジップアップして背中に龍などの刺しゅうがしてあるトップスだが、ピンクやボルドーなどのカラー使いのスカジャンがヤングを中心にして大ヒットの予感がする。
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スカジャン
(ドリス ヴァン ノッテン) |
さらにデザインアレンジされたポロシャツやエプロンドレスやダブルスリットスカートにも注目したい。昨年大ヒットのガウチョパンツの流れを受けてリラックス感のあるイージーパンツやローウエストパンツも活躍しそうだ。
コートでは、秋冬大ヒットしたコーディガン(コートとカーディガンをミックスしたロングコート)の流れを受けて、ロング&リーンタイプのコートジレ(コートとベストの組み合わせ)が注目だ。
素材やディテールについては、「オフショルダー」(肩が見えるまでネックラインが開いている)をまず押さえておきたい。
続いて「パフスリーブ」。行き過ぎたカジュアルダウンにストップをかけるべく最近のパリ・コレクションなどで大いに注目されているのがパフスリーブだ。
そうは言っても、可愛らしいイメージではなく、ワークウエアっぽいディテールやアイテムと組み合わせるなど大げさでないリアルなスタイルとして登場しそうだ。
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パフスリーブ |
この他、夏には永遠の定番であるマリンボーダー、ひもやテープを用いたディテールは頻出しそうだ。
また繰り返しになるが、透けるオーガンジーや光沢のあるサテンは今春で大注目の素材である。
(2016.2.21「岸波通信」配信 by
葉羽&三浦彰)
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