いわゆるラーメン・フリークと呼ばれるラーメン好きにとって冷やし中華というアイテムは基本的に対象外だろう。
つまりラーメン・フリークが、ラーメン店で夏季限定アイテムである冷やし中華を注文することはまずない。
こうしたラーメン・フリークをメインターゲットにするラーメン店でも、夏季限定の冷やし中華を店のメニューに加えることはまずない。それぐらいなら別のメニュー開発を考えているはずだからだ。
そうは言っても一杯ぐらい挙げておくと、湯島天神下のラーメンの名店である大喜の冷やし中華は旨かった。麺がとにかく旨い。
ラーメン店ではなく、中華の名店の冷やし中華ということになると、冷やし中華発祥の地と言われる神保町の揚子江菜館とか新世界飯店の冷やし中華ということになるのだろうが、私は食べたことがない。
ある会食の際に、面白半分で注文した(他腹のゆえ)ホテル オークラの桃花林で食べた冷やし中華は旨かった。
要するに、これらは値段のとれる、ラーメンというより中華料理である。
山形の冷やしラーメンはおすすめだが、東京で食べられる店は、小田急多摩センターの山形ラーメン天童が有名。味はまずまず。
本場山形の天童の有名店で食べた冷やし鶏そば(麺は中華麺)は旨かった。
また山形の山寺の駅前の食堂で食べた冷やしラーメンも記憶に残っている。
しかし歳をとると、夏場にはいわゆるラーメン・フリーク向けのラーメンやつけ麺はちょっとシンドイ。
正直に言うと、ざるラーメンや冷やし中華をかなり食している。それも中華名店の彩鮮やかでいろいろのっかったヤツではない。
お手軽でシンプルな、幸楽苑の和風盛り中華(卓上の酢を思いっきり加える)および日高屋の黒酢しょうゆ冷やし麺(ただし安っぽいハムは断固抜いてもらう)である。
(※右の背景画像:日高屋「黒酢しょうゆ冷やし麺」)⇒
幸楽苑には、冷やし中華もつけ麺(スープが温かい)もあるが、シンプルな和風盛りが良い。
それぞれ夏季限定だが、それぞれ毎夏10食は食べているというのが実情だ。
安上がりな男である。
(2015.7.14「岸波通信」配信 by
葉羽&三浦彰)
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