初台の新国立劇場でワーグナーのオペラ「さまよえるオランダ人」の初日を観た( 1月18日日曜日)。
いろいろ忙しくて今年初のコンサート&オペラ観劇である。念のため 眠気覚ましにエスタロンモカをいつもの倍の2錠飲んで15分前に着席。
14時開演だが、同劇場の今年初のオペラ公演ということもありほぼ満席。マチネー(昼の公演)はいつにもまして高齢者が多い。高齢者には夜道が大敵なのか、それとも夜が早いためか。
開演までプログラムをめくっていると、オーケストラ(東京交響楽団)のメンバー表のコントラバスの欄に「渡辺哲郎」の名前を発見!
あ、中学で同じ学年にいた哲郎じゃないか!
体の大きい哲郎は早くも中学の時にコントラバス奏者になるべく練習に励んでいた。 朝早く登校して音楽室でレコード(CDではない!)をかけて、それに合わせてコントラバスを弾いていた。
すでにクラシック音楽好きだった私は、その練習に付き合うと称して音楽室のレコードを取替え引替え聴いたものだった。哲郎はその後東京芸大付属高校に進学し、芸大を卒業後、東京交響楽団のコントラバス奏者になったようだ。
オペラグラスでオーケストラピットをみると、メガネをかけちょっと薄くなった白髪のコントラバス奏者が見えた。間違いなく哲郎である。
中学時代の哲郎は、スポーツ万能で、特にそのキック力が凄まじくPKをバーの遥か上にはずすとそのボールが2階の教室のガラスを直撃。何度叱られたことか。
ちょっと外人っぽい風貌だったので女子に人気があった哲郎をめぐる恋愛話を何度か聞いたことがある。
さてオペラの話に戻ると、初日なのでオーケストラは若干のミスもあったが、主役のバリトンとソプラノが素晴らしい出来で、大満足の演奏だった。
終演後楽屋に哲郎を訪ねてみようかとも思ったが、まあ会わなくてもいいだろうと演奏の余韻に浸りつつ帰路についた。
その後いろいろ調べてみると、昨年まで哲郎は東京交響楽団の首席コントラバス奏者だったが、60歳の定年と同時に首席ではなくなったようだ。
新国立劇場のオペラ公演のオーケストラパートは東京交響楽団と東京フィルが分担して受け持っているから、早晩哲郎の演奏に触れることが出来るだろう。
(2015.1.22「岸波通信」配信 by
葉羽&三浦彰)
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