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Story&Illust by 森晶緒
“Brown on Blue” by 佑樹のMidi-Room
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<soul-67> 気まずい沈黙

「一生懸命やったんだろうさ。後悔は事故以外無いんだろう?
 後は、テキトーに合わせて流れりゃ行き着くところへ行き着くさ」

 福喜は佐山と民に、思いやりの表情を見せながら語る。

「全てが動き、止まってる事なんてありゃしない。
 それがいかに素晴らしいか、見る事ができないのは寂しい事だがね」

 福喜は何を知っているのかいないのか、揺るぎなく話す。

「でもあたしらはそれを身を持って体験した。
 人はね、支点力点作用点だけで出来てるもんじゃないんだ。
 計れないのが生きてる身の上さ。
 お互いに実らない思いやりでも、それはやっぱり思いやってんだよ」

 そう語る福喜に、真野がボーっとしながら、まるで自分に呟くように

「思いやりが重なるのって難しいよね・・・
 こっちが思ったところでは決して認めてはくれないし・・・
 否定しないでいられたら・・・楽なのに・・・」

 助八が真野を驚いて見ながら

「真野ちゃんや。そんなんできるのは仏様位だ。
 生きてるってのは少なからず、
 否定やらそう言うんをやらかしちまうもんなんだからなあ」

 と珍しい含蓄のある言葉にも仙吉はここぞとばかりに

「おいらたち成仏したら本当のホントケだけどよお」

 とウカウカ呟くのに、明がもうツッコムのも嫌そうに

「たいして掛かり切ってねーし」

 とボヤくが、福喜は偉そうな態度フル回転で

「ヌワンスだろう、ヌワンス」

「・・・・・・・ニュアンス!?遠!!」

 と驚愕する明の態度に、

「良くわかったね。ボカア分からなかったよ。
 明君、福喜さんと通じてるんだね」

 ほほえましく相槌を打つ清宮に、慌てふためいた明は

「それは無い!!それは!!」

 と否定するが、希和子はまだまだおっとりと溜息交じりではあるが、しかししっかりとした口調で

「何にしろ、そんなに抱え込む事はないわよね~」

 佐山は気まずそうに顔を背けるが、一瞬明は佐山の瞳が潤んだように見て取れた。

 一方民は、恥ずかしさと、もう手遅れな佐山との時間に、口をしっかり閉じて目を細め、顔を赤くして踏ん張っている。

 幽霊達に、少しばかりの気まずい沈黙が流れて、それを破ったのは明だった。

 明は思わず呟く。

「ちっちぇーなー」

【2011.10.13 Release】TO BE CONTINUED⇒

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