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Story&Illust by 森晶緒
“Brown on Blue” by 佑樹のMidi-Room
Site arranged by 葉羽

 

<soul-46> エレメス!

  真野はしらばっくれてそっぽを向いて

「そんな事あったかなあ……」

 とすっとぼけようとする。

 明はやっと絞り出す様に

「……あんた…何してくれてんだ?」

 と驚愕した表情を緩めない。

 対照的に希和子は

「あら、気に入ったからイジワルや、ちょっかいは出したくもなるものよお?
 お兄さんよっぽど真野ちゃんと相性いいのねえ」

 そう微笑んで場を和ましてしまいそうになるが、明はしっかりと意識を保つ努力を怠らずに叫ぶ。

「相性いいとかの問題じゃねーだろ絶対!!むしろ最悪!!」

 福喜が、臨戦態勢に入る明の気を削ぐ様に真野との間に体を割り入れると、

「しちまった事!!過去の事は過去の事さね!
 小僧もそんな事一々気にかけてちゃあ、大物にゃあなれねーよ!!
 忘れな!!」

 怒鳴り声に近い説得に、怒りも気圧された明はふて腐れながら、

「俺別に大物なんてなるつもりねーもん!!」

 ボヤキながら子供の様に拗ねると、代わりに真野に負け犬の遠吠えよろしく唾を飛ばして吠える。

「陰険!!」

「だったら何さ!?」

 開き直って凄む真野にまで、更に気圧される明は怒りも忘れて小さくなりながらも、なおも遠吠えだけは忘れない。

「周りが気遣ってくれるからって、全て許されると思うなよ!?
 やっていい事も悪い事もあんだろが!!第一生意気なんだよっ」

「!?」

 先程までの融和的な態度も豹変して明を睨みつける真野。

 二人に既に匙を投げてしまった幽霊達と違って福喜は説得しながら食い下がる。

「生意気だと思う小僧の気持ちはそりゃ勝手さ。
 だけどね、口にするのは又意味が違うんだよ。
 その台詞はどうしょーも無い事なのかい?絶対かい?」

「俺はあんたらとは違う……気楽なんてやってる余裕はねーんだよっ。
 働いた事もねえガキに、言われるがままなんて落ち着かねんだよ!!」

「……そりゃあね。あんたにはあんたの思いもあるだろうさ。
 しかしあんちゃんが特殊なんじゃない。どんなモノだって、
 命運を抱えてるもんさ。ひけらかすかは別にしてもね」

「ひけらかしてるって…何だそれ……俺はただ……」

「生き方に翻弄されてる様じゃあ、いっちょ前にはまだまだってこった。
 もう少し成長した方がいいね」

「!?だから何でそんな事あんたに言・・」

 福喜との口論を大声で遮ったのは、誰あろう一番気のない様子で漂って遊んでいた助八だった。

「エレメス!!」

【2009.7.25 Release】TO BE CONTINUED⇒

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