最近CMで流れる「陪審員制度」に思うところありです。

 ニュースで見ても、やはり裁判官制度は破綻しつつあるのかもとは思いますが、重い重責も伴なうこの制度、他人ごととは言っても考えさせられますし、いずれ自分もの時、どうするんだろうかと思い投稿してみます。

 その昔、私が敬愛してやまない三谷幸喜氏を知った最初は、「やっぱり猫が好き」ではなく、「12人の優しい日本人」の映画でした。

 後にこれは三谷幸喜の劇団「東京サンシャインボーイズ」の舞台の映画化だと知りますが、当時は「作、三谷幸喜と東京サンシャインボーイズ」のクレジットを見ても、劇団自体、三谷幸喜自体を知らなかったのでピンとは来ませんでした(数年後絶大なる三谷幸喜と東京サンシャインボーイズのフリークになる事は、想像していませんでした)

 とにかく映画が今までにない、もっのすごい「面白い」と言う事だけは、はっきりしていて、周りにストーリーを聞かせ(スゴい込み入ってるのに全部話して聞かせました)聞いた人もビデオになってから観ていて、ストーリーを知っているにも関わらず、「面白い」と言うほど、それは完成されたシナリオだったのです。

 この「12人〜」お気付きな方も多いかと思いますが、かのハリウッド名画の誉れも高い「12人の怒れる男」をベースにしています。

 映画が大好きな三谷幸喜らしい選択で、展開は三谷幸喜の全くのオリジナルです。

 又東京サンシャインボーイズにとっても一つ段階を上がった出世作となり、現在でも三谷幸喜による再演が行われる人気作ですが、映画化当時も一つ、本家の「12人の怒れる〜」と大きく異なる点がありました。

 それは当時から今現在、日本には陪審員制度が無かった点です。

 「12人の優しい〜」も「怒れる〜」と同じ陪審員制度が舞台になっていましたが、実際にそれはフィクションとして描かれています。

 そして現在、その頃は想像だにしなかった「陪審員制度」が日本でもスタートします。

 このニュースを見て、あのフィクションをどうしても思い出さずにはいられません。

 「優しい〜」では陪審員制度の精神が冒頭で語られます(あくまでフィクションですので、三谷幸喜氏のシナリオの言葉です)。

 裁判官制度でもそれは同じ事ですが「人が人を裁く」その重みをどう捉えていいか正直明解な答えは持っていません。

 映画では、ディスカッションの後に真実の予想が浮かび上がりますが、それでも、出演の豊川悦司演じる役曰く「真実は本人にしかわからない」のです。

 「優しい」はあくまでコメディですが、その中に人、特に日本人の悲喜こもごもが組み入れられている分、それまでの三谷幸喜の作品とは一線を画すものがあるのかもしれません。

 もし裁判に関わるとしたら、もう陪審員制度の登録は始まっています。

 どれだけ真摯に証拠と供述、弁論をかんがみて、一つの答え(ジャッジ)を出すか、そ
れはとても簡単に行われるのか、難しいのか、流れる「陪審員制度」のCMを見ても、答えはやはり無いと感じる今現在です。

 ただはっきりと思うのは、誠実に一生懸命に自由で生きて行く事が、後に答えになる事もあるかと思うのです。

 自分に来なければいいと言う問題より、自分が何ができるか、考えて行きたいと思います。

  Written by Akio (2008.12.17 up)

「夏の別れ」 Fra's Forum♪

 

12人の優しい日本人

 

 

 

12人の優しい日本人

 

 

 

12人の怒れる男

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