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Story&Illust by 森晶緒
“Star-Filled Sky” by 佑樹のMusic-Room
Site arranged by 葉羽

<Dream-17> 夢のあと

 時間が経っていた。

 美頬の部屋の緑のラグの上で横になって眠っていた実多果は、パチッと突然目を覚まし、ボーッとしながらも、反射的に起き上がる。

 と一緒に、脇で横になって寝ていた美頬がスーッと音もなく起き上がる。

 ぼんやりした目線をふと隣に向けて、美頬が一緒に寝ていた事を瞬時に理解して意識がはっきり目覚めた実多果は、ギョッとする。

「え!?この人も一緒に寝てたの!?」

 声には出さないが心の内で叫ぶと、聞こえてはもちろんいないが、隣の美頬は黒髪がボサボサと顔にかかって、表情は全く読めない。

 実多果は余りの不意打ちに、勇気を振り絞り美頬に聞こうとする。

「あ!!………あの!!…………どの様な………ゆ」

 遮る様にピシャリと言い切る美頬。

「今日はもう帰りな!!」

 実多果は唖然として又声に出ずに心で思う。

「は!?」

 美頬は髪をグシャグシャと更にかき乱して、実多果には一切顔を見せず、それ以上は口を開かない。

 街路樹沿いの歩道を実多果は帰路についていた。

 幸い最終の電車にはまだ間に合う。こんな時、都心に近いからこそ電車もある様なもので、実多果の家に着くには電車が終わるギリギリの時間だ。

 実多果は怒っていた。

 月明かりと街灯の明かりの下、ズンズンと怒りに任せて早足で家路を急ぐ実多果には美頬の態度が、自分を引き付けるだけ引き付けて、放り出した様に思えたのだ。

 ふっと意識に、自分が久しぶりに怒っているなと、冷静な脳が囁くが、そんな事実も吹き飛ばし実多果は不服そうに

「何なの!?一体!!」

 そう一人愚痴りながら、心もとない街灯の明かりが点滅する場所も突き進んで行った。

 美頬の部屋では……相変わらずグシャグシャの髪の毛のまま、手を唇に当てて、真剣に何かを考えている美頬の横顔があった。

 調べに入ったのは翌日だった。

 何事にも動じない容姿に反して、迅速を持ってよしとする。それが美頬の主義だ。

 最も、手に負えない時の手放す早さも自負している。

 美頬の職場近くの公園に昼休みで出た美頬はケータイを開いた。

【2020.5.9 Release】TO BE CONTINUED⇒

 

 

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