岸波通信その94「人類の叡智に学ぶ2」

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Present by 葉羽
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岸波通信その94
「人類の叡智に学ぶ2」

1 成功の秘訣

2 人生の真実

3 先人の叡智

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  Learns from Intelligence of the mankind 2 【2018.3.25改稿】(当初配信:2004.1.10)

極東のウラジオストック(Vladivostok)という町の名は“東を征服せよ”という意味。」
  ・・・H先輩のメモ
 「和魂洋才」・・・歴史の街会津に日本初のコンピュータ専門大学「会津大学」が創立された時、コンセプトとされたこの言葉が大好きです。
 どのような新しい技術や文化を取り入れるにしても、地域に培われた歴史や伝統の上に花開かせる・・・そんな会津魂が息づいているようです。
世界遺産シャンボール城

世界遺産シャンボール城

(フランス)

←今回のギャラリーフランスの風景を。

 ところで、「天衣縫」で彗星のように登場したH先輩から、「岸波通信」に素敵な贈り物をいただきました。

 それは「言葉」・・・H先輩が折に触れて心の琴線に響いた言葉を書き溜めている「箴言集」です。

 最近は、読者の皆さんからいただいた様々な材料・・・詩や音楽や画像やレスや手紙をモチーフに僕が通信を作るというコミュニケーション・サイトとしての本領が発揮されてまいりまして、皆さんからたくさんの情報や作品が寄せられるようになりました。

 「コラボレーション・ギャラリー」しかり、「フレディもしくは三教街」しかり、「夜が来る」しかりです。

 ということで、今回の通信では「H先輩箴言集」から選りすぐった素敵な言葉をご紹介しようと思います。

 

1 成功の秘訣

 人間は自然と戦って勇気を養い、人間社会で叡智を学ぶ。

〔ヘミングウェイ〕

 このシリーズのタイトル・ネーミングに用いたヘミングウェイの至言。やっぱり、H先輩も書き留めていました。

 人間には“四耐”というものがあって、常にそれを心において生活している。

 その四つとは世間の冷たさ、人の厳しさ、閑の空しさ、そして煩わしさ。

〔長嶋茂雄〕

 これがあの長嶋さんの言葉・・・ちょっと意外な気がします。

 オリンピックでの健闘を期待したいと思います。

 相手の立場への想像力を教養というのです。 

〔つか こうへい〕

 この言葉には共感します。教養は、その人の品性を高めるものでなくてはならないでしょう。

パリの街路樹

(フランス)


 古代ローマの共和政時代、危機管理の対象としてディクタトール(臨時独裁執政官)という官位があった。

 任期は六ヶ月と限定され、非常事態に対処することがらに限ってのみ権限付与された。

〔塩野七生「再び男たちへ」・・・期限を切ることの大切さ〕

 期限付きの独裁者・・・さすがにローマ。素晴らしいアイディアです。

 良樹細根・・・根が広く深く張っていればこそ、いい木になり葉も茂る。

〔ローヤル社長 鍵山秀三郎「出会いは、心の花を咲かせる」〕

 よく用いられる言葉ですが、実感がこもっています。次も、鍵山社長・・・。

 人間が残すべき遺産とは何か。金やモノなど財産を残すことにも意義がある。

 しかし、それは何人にもできることではない。

 何人にもできて、お金や財物よりもっと価値があって何人にも残せるものは、その人の勇気ある高尚な生涯である。

〔同上鍵山社長が好んで口にする内村鑑三の言葉〕

 JICA(国際協力機構)のシニア・ボランティアで途上国に行かれる方々と触れ合っていると、その熱い情熱に心を打たれることが多くなりました。

 維新のころには、妻子までもおれに不平だったよ。

 広い天下におれに賛成するものは一人もなかった。

〔勝 海舟「氷川清話」〕

 大きな事業ほど、最初から周囲の理解を得られることは少ないのでしょう。その壁を乗り越えて、初めて偉業が成し遂げられるのですね。

ノートルダム大聖堂

ノートルダム大聖堂

(フランス)


 悲観は不安より生じ、楽観は確信から生まれる。

 バックボーンは「経験」、「信用」、「伝統」。

 リノベーション経営・・・刷新、革新、元気回復。

 行政も同じことが言える。

〔H先輩のメモ(どこかの企業視察をした時のもののようですね。)〕

 人事を尽くして天命を待つ。何も努力をせずに不安だけ募らせても仕方がありません。ちょっと、話は違いますが、自衛隊の海外派遣・・・不安のみを煽り立てて、一国平和主義を未だに唱え続ける人々がいることが信じられません。

 そんな、わけで、今回、先遣隊としてイラクを訪れる自衛隊員がインタビューに答えた素敵なコメントをオマケに・・・。

 あなた方がイラクへ派遣されるのに反対論も根強いですが・・・?

 「賛成と反対が両方無いなんて方がまともじゃありません。

 我々は、命令に従うまでです。」

〔イラクへの先遣隊として派遣される自衛隊員がテレビのインタビューに答えて〕

  はるかに達観しています。さすがに当事者の言うことは違います。

 書物はつねに生産し、自分の種を人の心にまき、

 後に来る時代に限りなく行為や意見を奮い起こす。

〔ベーコン〕

 近年、ネット利用者が広がったので、若者たちが再び「活字」に帰ってきたといいます。確かにコメント・サイトやBBSは大変な盛況を呈しています。

 言葉が大切にされる時代が再びやって来ました。

 ということで・・・。

“ことば”

 心が素直になればことばも素直になる。

 素直な言葉は、聞く人の心にしみ通る。

 もっとことばを大切にしたい、こんな世の中であるだけに。

〔鈴木健二「女らしさ物語」〕

 胸を打つ素晴らしい言葉です。

 

2 人生の真実

 一粒の麦は、そのままなら一粒の麦にすぎない。しかし、その麦が死ねば、いく粒もの麦となって甦る。

〔聖書〕

 我々も、次の世代に種を蒔いて行かなくてはなりません。

仏教に顔施(がんせ)という戒めがある。

今この人には何もしてやれないと思っても、自分の顔に微笑みだけは忘れてはならない。

そして、相手の気持ちを和らげてやることが大切であるという教え。

〔出典不明〕

 見事な人生の真実ではありませんか!

鉄鉱石1トン・・・1万円。

鉄1トン・・・10万円。

自動車1トン・・・300万円。

超LSI1トン・・・30億円。

なかでも情報が一番軽い。何しろゼログラムなのだから。

〔西和彦 1956年神戸生まれ。早稲田大学一年のときに日本最初のパソコン雑誌「I/O」を創刊。〕

 西さんの講演は会津の産学懇話会でも拝聴しました。付加価値というものを実に分かりやすく解説しています。

 書を読みて己が感ずる所は抄録して置くべし。

 今年の抄は明年の愚となり、明年の録は明後年の拙が覚ゆべし。

 是れ知識の上達する徴なり。

〔吉田松陰〕

 H先輩の生き方そのものです。尊敬しています(オセロ嬢と僕は先輩の隠れファン)。

パリのグラン・パレの行列

パリのグラン・パレの行列

(フランス)


 にんべんにため・・・偽 ニセ

 人間としての資格・・・人格

 食欲、性欲、物欲、金銭欲、名誉欲・・・五欲

 その虜になった人間を餓鬼という。

 それから欲の取り合いになっている現場を“修羅場”という。

 宗教とは、いかに死ぬかではなくて、いかに生きるかという教え。

 宗教の“宗”とは、“おおもと”という意味。

〔無着成恭 一鍬山「福泉寺」千葉県香取郡多古町一鍬田292。成田空港から車で10分。〕

 茶道は、五言絶句など中国の仏教と深く関わりを持っていますが、最近、その深さがやっと分かってきました。

 アンケート調査「皆さんの心配事は何ですか」と尋ねると一番多いのは家族の健康、子供の教育、老後の生活・・・これを日本人の「心配御三家」といいます。

 この三つに共通しているのは、現在ではなく将来の心配ということです。

 老人福祉は断然世界一。国民保険の普及率も世界一。何よりも終身雇用と退職金に守られている。これほど安心な国民はないはずなのに、福祉が充実して世界一になったら、ますます先のことを心配する。

 それは、所得の格差が少ないからです。(本来、誇るべき。)

〔堺屋太一「幸せは千差万別時代」〕

 ユニークな指摘です。言えてますねぇ。

 極東のウラジオストック(Vladivostok)という町の名は、“東を征服せよ”という意味。

〔H先輩のメモ〕

 そ、そうだったんですか!

 イタリアの「ナポリを見て死ね」。

 「日光を見ずに結構というな」。

 成田空港のアナウンス「本日、日航は欠航です」。

〔戸坂康二「ちょっといい話」文芸春秋59.3〕

 あっはっはっは。ついでにもう一つ。

 大分県宇佐八幡は、道鏡の野心を粉砕した神勅を和気清麻呂に伝えた由緒正しい神社だが、宇佐の駅の看板を見てアメリカ人がびっくりしたという。

 USAとローマ字で書いてあったからである。

〔同上〕

 そりゃぁ、驚くだろうなぁ。

ロンシャン宮の噴水

ロンシャン宮の噴水

(フランス)


 

3 先人の叡智

 夫婦を結びつけるものは

 20代は愛情。

 30代は努力。

 40代は忍耐。

 50代は諦め。

 60代は感謝。

〔出典不明〕

 忍耐・・・なのか?

 ベターハーフと言いますな。よい配偶者という意味やけど。

 ベストハーフと言わんとこに先人の知恵を感じさせますな。

 ベストを望んだらお互いに不幸になるだけや。

〔出典不明〕

 うむ。素晴らしいご意見。

 女房は夫の鏡である。

 それにしても鏡を磨くのは、用心深さと大変な努力が必要である。

 しかしすりきれるまで(老いるまで)お互いに磨き合うほかに夫婦の生きる道はないようである。

〔鈴木健二「やきとり屋の社長学」〕

 これもよく分かる。

 カゼ

1 ニンニクを砂糖と醤油で煮て食べる

    2 風呂上りに背中に塩をこすりつける

 セキ止め

1 酒でノドを湿布する

2 ハチミツに薄切りの大根を入れ、上澄み液を飲めば効果テキメン 

〔H先輩のメモ〕

 ryoukoちゃんの風邪、これを見て、早くよくなるといいけど・・・。

ミロのヴィーナス

ミロのヴィーナス

(フランス)


 上杉鷹山「成せばなる成さねば成らぬ何事も 成らぬは人の成さぬなりけり」220年前米沢藩

 ケネディ大統領が記者会見の席で最も尊敬する日本の政治家は誰ですかという質問に対し、即座に「ミスターヨーザン・ウエスギ」と答えたと言う。

 「民をみること傷のごとし」論語 

〔「歴史の群像」読後のH先輩の抜書きより〕

 ケネディはやはり素晴らしい政治家でした。

 人間のすること古今東西同じようなものでアメリカとても別に変わったことはございませんが、少し目に付きましたのは、アメリカでは政府でも民間でも、およそ人の上に立つものはその地位相応に利口です。

 この点だけは、まったくわが国と反対のようにおもいます。

〔勝 海舟〕

 痛烈ですね。でも皮肉じゃなく、本音なんだろうな。

 仁に過ぎざれば弱くなる。

 義に過ぎざれば固くなる。

 礼に過ぎざればうそをつく。

 信に過ぎざれば損をする。

 気長く心穏やかにして萬に倹約を用いて金を備ふべし。

 倹約の仕方は、不自由を忍ぶにあり。

〔伊達政宗の遺訓〕

 鷹山同様、東北の生んだ素晴らしい政治家です。

daddy鷹山は、日向の国(宮崎県)出身ですが米沢藩で改革を行った。

セザンヌのアトリエ

(フランス/プロヴァンス)


 地域を思う人がいる限り過疎は怖くない。

 怖いのは心の過疎だ。

〔松平守彦大分県知事「地方からの発想」岩波新書〕

 こちらは、現代の素晴らしい政治家です。

 愛は忍耐強い、愛は情け深い、ねたまない、高ぶらない。

 礼を失せず、いらだたず、恨みをいだかない。 すべてを忍び、すべてに耐える。

 愛と言うものは観念ではない。他人に配慮せよ。そして最後に許せ。

 無理に相手を改変させない。相手が自然に理解し納得するまで待つこと。

 それは自分との戦いだ。

〔曽野綾子「新潮45」1995年8月号〕

 曽野綾子さんは熱心なクリスチャン。

 この言葉のもともとの出典は、新訳聖書のコリント人への第一の手紙。別名「愛の賛歌」と呼ばれている有名な箇所です。原文はこちら・・・。

「愛は忍耐強い。愛は情け深い。ねたまない。愛は自慢せず、高ぶらない。礼を失せず、自分の利益を求めず、いらだたず、恨みを抱かない。不義を喜ばず、真実を喜ぶ。すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてに耐える。」

 実は僕、同僚の女性が結婚する時に、この言葉を手紙に書いて贈りました。

 そして、僕自身も、家内と結婚する時に、牧師役をお願いした仲人のお医者さんに、この部分を読んでもらいました。(人前婚だったので)

 日本語で読んでもとてもリズミカル。そして「愛」の真実について余すところ無く語った大好きな文章です。

「どうして、部屋をかたずけられないんだ!!」

 年末の大掃除が思うように進まないので、つい妻に声を荒げてしまった。

「第一、戸棚の中に何年も使わないような書類とかを溜め込んでいるから駄目なんだ! もういい。僕一人でやる。自分で整理できないんだったら、僕が全部捨ててやるよ!」

 妻は悲しそうな目をして、「買い物に行く・・・」 と出かけていった。

 引き戸の奥には、大量の書類が溜め込まれていた。

 それは子供たちが小さい頃、妻が「お金がかからないように」と自分で採点してあげていた数百枚、いや2千枚以上はあるだろう学習プリントの束だった。

 その一枚、一枚に、「よく出来ました。今度はもっとがんばろうね。」 などの書き込みが丁寧に書かれている。

 それを見ていて、思わず胸が熱くなった・・・。

 そうやって、子供たちと心を通わせていたプリントの束は、妻の宝物だったのだろう。

「帰ってきたら、謝ろう。」

 僕は、引き戸の中に、その大切な思い出をもう一度仕舞いこんだ。

 年末に書いた「日記」から。

 

/// end of the “その94「人類の叡智に学ぶ2」” ///

 

《追伸》

 「天衣縫」で有名人のH先輩とカミサンのケイ子。

 いずれも、「天衣縫」だけだと、読者の皆さんに人物像を誤解される恐れがありますので、正しい一面もお伝えしなくては、と考えてここでご紹介いたしました。

 昔から、部下(仲間?)のことをいつも気にかけてくれる優しい先輩でした。

 今回は、先輩の宝物でもあるはずの「箴言集」を僕に託していただきましたので、僕自身の箴言集とあわせて、今後も続編をご紹介していきたいと考えています。

 

 では、また次の通信で・・・See you again !

mera-mizugi

(朋朋さんにいただいた素敵な画像)

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To be continued⇒“95”coming soon!

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