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「Freezing Conflagration」(佑樹のMusic-Room
by 岸波(葉羽)【配信2026.1.24】
 

◆この記事は作品のストーリーについて触れています。作品を実際に楽しむ前にストーリーを知りたくない方は閲覧をお控えください。

 こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。

 人類は滅びるーー
 全てはお前次第だ。

 イマイチなに言ってるか分かりずらいですが、これは2016年公開トム・ハンクス主演の『インフェルノ』のキャッチコピー。

 大寒波の襲来で外に出かける気にならず、昨日Amaプラで鑑賞しました。

 『ダ・ヴィンチ・コード』は封切りに足を運びましたが、第二作『天使と悪魔』は観ませんでした。

 でも、一話完結なのがこのシリーズのいいところ。飛ばしても問題なし♪

インフェルノ

(C)2016 ソニー・ピクチャーズ

 最近は、『24』や『ホワイト・カラー』、『FBI』など、アメリカのアクションTVシリーズを観なおしているので、テンポの速い展開でないと見続ける気になりません。

 もし「ダレた展開」だったら、途中で投げ出してもいいやと想いながらの鑑賞。でも、最後まで一気見することができました。

 さて、その内容は?

 

 ダンテの地獄篇(インフェルノ)に
 隠された暗号(コード)を追え。

 開始冒頭、追われてフェレンツェの街中を逃げ回る男のシーン。その背景で、誰の言葉とも知れぬ独白が流れる。

「人間は絶滅に瀕するまで学ばないのか? スイッチがある。そのスイッチを押せば人類の半分が死滅する。だが押さないと人類は100年以内に絶滅する。私が見つかった場合に備えて君に手がかりを残そう。これまでで最も難解な手掛かりを。それを追えば地獄(インフェルノ)にたどり着く・・」

インフェルノ

(C)2016 ソニー・ピクチャーズ

 男はビルの屋上まで追い詰められ、意を決して飛び降りて死亡する。

 そこで場面は転換し、病室の中で目を覚ます、お馴染みラングドン教授(トム・ハンクス)。彼は頭部に銃弾を受け、地獄の幻影を見て苦しんでいる。

 目を覚ました彼は、自分が何者で何が起こったのか思い出せない。頭部に銃撃を受けたショックで記憶が失なわれているのだ。

 彼の名を教えてくれたのは当直の女医シエナ(フェリシティ・ジョーンズ)。医学会で彼の講演を聞きファンだと言う。

  ラングドン教授とシエナ

 その病室に女性警官がやって来るが、いきなり銃撃してラングドン教授を殺そうとする。

 ドアの鍵を施錠し、隣室から逃げ出す教授とシエナ医師。いったい何故、自分が警察から狙われているのか? 理由も分からないまま、二人の逃亡劇が始まる。

 と、この後の概要とあらすじは以下の通り。

◆『インフェルノ』の概要とあらすじ(映画.comによる)

 ダン・ブラウン原作の世界的ヒット作「ダ・ヴィンチ・コード」「天使と悪魔」に続き、トム・ハンクスが三度、ハーバード大学教授の ロバート・ラングドンに扮したシリーズ第3弾。

 ハーバード大学の宗教象徴学者ラングドン教授は、数日分の記憶を失った状態で、フィレンツェの病院で目を覚ます。謎の襲撃者に狙われたラングドンは、美しい女医シエナ・ブルックスに助けられて病院を脱出。

 

 何者かから追われる身となったラングドンとシエナは、生物学者ゾブリストが人類増加問題の解決策として恐ろしい伝染病を世界に広めようとしていることを知る。そしてゾブリストが詩人ダンテの叙事詩「神曲」の「地獄篇」になぞらえて計画を実行していることに気づき、阻止するべく奔走するが……。

  秘密を示す地獄の地図

 ロン・ハワード監督と主演のハンクスが続投するほか、ラングドンと共に謎を追う女医シエナ役を「博士と彼女のセオリー」のフェリシティ・ジョーンズが演じる。

2016年製作/121分/G/アメリカ
原題または英題:Inferno
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
劇場公開日:2016年10月28日

 よくできた脚本で、自分が何故狙われているのか分からないまま、次々と刺客が訪れて決死の脱出行が続きます。

 そして、身辺に現れる人物の誰が敵で誰が味方なのか分からないこともサスペンスを高めます。

 実際、仲間と思っていた人物が敵であったり、襲ってきた敵が味方に寝返ったり、まるで日本のTVドラマ『アンフェア』のような驚きの連続。

 『アンフェア』

 懸念していた話のテンポもサクサクと進み、逃避行の中で少しずつ取り戻した記憶で、信頼できる相手かどうか分かる流れもスムーズ。(無駄に、もったいぶらない)

 また、シリーズ共通の要素だけれど、世界各国の風光明媚な街並みや美しいミュージアムが楽しめるのも『007』シリーズ同様。

インフェルノ

(C)2016 ソニー・ピクチャーズ

 しかし、噴飯だったのは、恐ろしい殺人ウィルスを、二日間のうち人類の95%に罹患させようとする環境テロリストの「動機」。

 人類は「地球に現れたウイルス」に外ならず、急速な人口増加で自らを滅ぼすばかりでなく地球も滅ぼす。だから、地球のために人類を抹殺する!?(おいおい)

  ダンテのデスマスク

 海外の映画では、こういう思想を持ったテロリストがよく出てきますが、日本人の僕から見れば、全くの荒唐無稽。

 せっかくのサスペンスが台無しで、いきなりファンタジーを見せられている気分。

アメリカ版『ゴジラ』のモンスター・バースにも同じ思想のテロ犯が出てきました。

 そこで、ダン・ブラウンの原作を確認しましたら、このウイルスは映画版で大きく改変されていることが分かりました。

  原作者ダン・ブラウン

 映画の殺人ウイルス「インフェルノ」は、原作では「人類の一定数を不妊にする」ウイルスだったのです。

 それはそれで「非人道的」に違いはありませんが、かなり印象は変わって来る。

 しかも映画では、テロが阻止されてメデタシメデタシだけれども、原作ではウイルスの封じ込めに失敗し、一部が大気中に放たれてしまう。

 もし、環境テロリストが人口爆発の「抑制策」としてウイルスの拡散を狙っていたとすれば、例え完全阻止されたとしても「一部の理」を感じられたことでしょう。

 

 この三部作の日本での興行収入を見ると、第一作『ダ・ヴィンチ・コード』が90億5400万円、第二作『天使と悪魔』が33億5000万円に対し、『インフェルノ』は15億4000万円とかなりの右肩下がり。

世界興収は『アバター ファイアー・アンド・アッシュ』の例や最近のアカデミー賞の受賞作品を見れば、日本人の感覚と相容れないことが分かったので参考にしない。

 最初こそ斬新なストーリーと思いましたが、美術品に絡めた無理やりに難解なパズルの設定が鼻につく感じがあり、楽しめなくなっているのかなと。

インフェルノ

(C)2016 ソニー・ピクチャーズ

 核心のネタバレですが、冒頭の「独白」は、殺人ウイルスを開発してある場所に隠した博士(最初に飛び降り自殺した男)自身のもので、「後を託された犯人」こそラングドン教授と行動を共にしていたシエナ女医(開発者の恋人)です。

 敵味方が入れ替わるストーリーの中でも、この反転には驚愕。

  イスタンブールの地下宮殿

 ところが、彼女が拡散しようとする「秘密のウイルス容器」が水中に沈めた「ビニール袋」のようなものだったことにズッコケ。

 また、その袋を破るため爆弾で自爆した彼女が、ラストでは「五体満足」で水に浮いてきたことでも再びズッコケ。演出の「詰めが甘い」と言うかなんというか・・。

 まあ「地球のために人類を抹殺」が出てきた時点で、日本人なら「引いて」しまうでしょうが、それでも最後まで見させたのはトム・ハンクスの演技力。さすがです。

 

/// end of the “cinemaアラカルト510「インフェルノ」”///

 

(追伸)

岸波

 地球を救うためには人類を滅ぼさなければならない・・こういう極端な思想は、日本の常識人から見れば荒唐無稽ですが、このタイプの環境テロリストはしばしば欧米の映画に登場します。

 これはおそらく、現実にそういう思想を持った人たちが存在しているのではと。

 また、地球上の多くは未だ「専制国家」であり、中国・ロシア・トランプ米国の三大国が領土欲むき出しの振る舞いを隠さない現実を見れば、人類の「民度」はまだまだなのでしょう。

 そんな現実世界の中で日本がどう生き延びていくのか、地に足を付けて考えて行かなければなりますまい。この世のインフェルノを招かないためにも。

 

 では、次回の“cinemaアラカルト2”で・・・See you again !

インフェルノ

(C)2016 ソニー・ピクチャーズ

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To be continued⇒  “cinemaアラカルト511” coming soon!

 

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