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「AUTUMN」(Music Material)
by 岸波(葉羽)【配信2019.5.19】
 

◆この記事は作品のストーリーについて触れています。作品を実際に楽しむ前にストーリーを知りたくない方は閲覧をお控えください。

 こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。

 時代が変わる、映画が変える。

 うん、ジェームズ・キャメロンの「アリータ:バトル・エンジェル」の映像にはぶっ飛びました。

 ということで、カリスマ彰に負けないように、僕も今まで書こうと思いながら書けていなかった主要作品を一気に棚卸ししようと思います。

アリータ:バトル・エンジェル

(C)2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

 3回連続で書く予定で、まず今回は「アリータ:バトル・エンジェル」、「検察側の罪人」、「億男」、「オーシャンズ8」、「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」の5本。

 採点は、彰にならってS(大推薦)、A(推薦)、B(まずまず)、C(普通)、D(駄作時間の無駄)とします。

 では早速、「アリータ:バトル・エンジェル」から。

 

1「アリータ:バトル・エンジェル」2019.2.22封切り S

 天使が戦士に覚醒める

 最初、あのジェームズ・キャメロンが日本のコミックを原作にして映画を撮ると聞いた時、まさか「銃夢(ガンム)」だとは思いませんでした。

 木城ゆきとの書くストーリーや絵は乾いたタッチなので、人物の内面を重視するキャメロンとは合わないと思っていたからです。

アリータ:バトル・エンジェル

(C)2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

 ところが、実際実写(+CG)映画化されてみると、彼の脚本によって、脳以外全身サイボーグ化され、戦闘機械として生きなければならないアリータの宿命と苦悩がグッと掘り下げられていたのです。(さすが!)

 そしてまた「アバター」で見せたリアルなCGと実写の融合が、各段に素晴らしいものに進化していました。ホラ、こんな具合…。

 表情もまた然り。細やかな感情表現まで寸分たがわず再現しているのです。

 はたまた、何人か出てくる悪役のキャラクターが非常に魅力的。(右端は味方)

 この真ん中のお姉さんなんかもの凄く強いのですが、それもそのはず、着衣の下はこんなですから(笑)

 今回描かれた部分はまだストーリーの序盤なのですが、アリータの相手役になっている青年がクライマックスで死んでしまいます。

 ここがあまりにも切なくて、帰ってから原作を読み直してみましたけれど、確かに青年はここで死ぬ。だけどさほど悲しくはない…記憶に残らなかったはずです。

 映画ではここに至るまでの二人の心情が丁寧に描かれているので、感情移入してしまったのでした。

 うん、つまりは原作超え。

 ストーリ-を再解釈して人間ドラマに仕立て直したところにキャメロンの凄さを感じました。

◆映画.comの解説から引用

 木城ゆきとによる日本のSF漫画「銃夢(ガンム)」を、同作の映画化を長年にわたり熱望していたジェームズ・キャメロンの脚本・製作により、ハリウッドで実写映画化したアクション大作。監督は「シン・シティ」のロバート・ロドリゲス。主人公アリータ役は「メイズ・ランナー」シリーズのローサ・サラザールが務め、いずれもオスカー俳優であるクリストフ・ワルツ、ジェニファー・コネリー、マハーシャラ・アリが共演。数百年後の未来。スクラップの山の中から奇跡的に脳だけが無傷の状態で発見されたサイボーグの少女アリータは、サイバー医師のイド博士によって新たな体を与えられ、目を覚ます。しかし彼女は、自分の過去や今いる世界についてなど、一切の記憶が失われていた。やがてアリータは、自分が300年前に失われたはずの最終兵器として作られたことを知り、そんな兵器としての彼女を破壊するため、次々と凶悪な殺人サイボーグが送り込まれてくる。アリータは、あどけない少女の外見とは裏腹の驚異的な格闘スキルをもって、迫り来る敵たちを圧倒していくが……。


◆2「検察側の罪人」(2018.8.24封切り) D

 一線を、越える。

 先輩検事(木村拓哉)と後輩検事(二宮和也)の二つの正義のぶつかり合い。

 ちょうど二宮君の「ブラック・ペアン」にハマっていた頃でしたので、かなり期待して観に行きました。 ところが・・・

検察側の罪人

(C)2018 TOHO/JStorm

 「一線を、越える。」という、まさにその通りのストーリー。

 検事の私怨のために(悪人だけれども)無実の人物を冤罪に追い込もうとし、その挙句に自ら殺人まで犯してしまうとあっては、もう荒唐無稽です。

 「本歌取り」したクリスティの「検察側の証人」がすこぶる付きの名作であるがゆえに、このタイトルもまた残念至極。

 ってゆーか、タイトルで犯人がネタバレしてますもん。

◆映画.comの解説から引用

 木村拓哉と二宮和也の初共演で、「犯人に告ぐ」などで知られる雫井脩介の同名ミステリー小説を映画化。「クライマーズ・ハイ」「わが母の記」「日本のいちばん長い日」「関ヶ原」など、話題作や名作を多数手がける原田眞人監督がメガホンをとり、ある殺人事件を巡る2人の検事の対立を描く。都内で発生した犯人不明の殺人事件を担当することになった、東京地検刑事部のエリート検事・最上と、駆け出しの検事・沖野。やがて、過去に時効を迎えてしまった未解決殺人事件の容疑者だった松倉という男の存在が浮上し、最上は松倉を執拗に追い詰めていく。最上を師と仰ぐ沖野も取り調べに力を入れるが、松倉は否認を続け、手ごたえがない。沖野は次第に、最上が松倉を犯人に仕立て上げようとしているのではないかと、最上の方針に疑問を抱き始める。木村がエリート検事の最上、二宮が若手検事の沖野に扮する。


◆3「億男」(2018.10.19封切り) B

 お金とは何か?幸せはどこか?

 え~ウチのケイコがタケル君大好きなものですから、有無を言わさず映画館に引っ張っていかれました(笑)

 宝くじで3億円を当てた主人公(佐藤健)が無二の親友で億万長者の九十九(高橋一生)に相談すると、彼の主催するハチャめちゃなパーティに招待され、泥酔で我を無くした翌朝、三億円と九十九は煙のように姿を消して…というストーリー。

 いったい金に困ってもいない彼が何故!?

億男

(C)2018映画「億男」製作委員会

 という事なんですが、僕は早々にその答えを見つけてしまったんですね。

 それというのも、少し前にビッグコミックで尾瀬あきらの「どうらく息子」を読んでいたから。

 二人は大学の落研で出会い、二人で海外旅行するなど親しい関係になっていくのですが、九十九君(高橋一生)の得意ネタが「芝浜」。

 こりゃあもう、分かる人にはすぐ分かる。

 ストーリー自体、この謎に絡めた一発ネタなので、「芝浜」が分かっているとちょっとキツイかも。

 でも、ファン層が違うかな? タケル君・一生君と落語(もしくは尾瀬あきらフリーク)は。

◆映画.comの解説から引用

 映画プロデューサー・川村元気の同名ベストセラー小説を佐藤健&高橋一生共演、「るろうに剣心」シリーズ、「3月のライオン」の大友啓史監督のメガホンで映画化。3000万円の借金を残して失踪した兄に代わり、借金返済に追われる一男。借金苦の日常に愛想を尽かした妻は娘とともに家を出てしまった。そんな不幸続きの一男に宝くじ3億円当選という幸運が舞い込む。この大金で借金返済、家族の修復と、一発逆転を夢想するが、ネットで悲惨な人生を送る高額当選者の記事ばかりが飛び込んでくる。不安になった一男は、起業して億万長者となった大学時代の親友・九十九にアドバイスをもらうため、九十九を訪ねるが、酔いつぶれて目が覚めると、九十九は3億円とともに姿を消していた。一男役を佐藤が、九十九役を高橋が演じるほか、藤原竜也、北村一輝、沢尻エリカ、池田エライザらが顔をそろえる。脚本は「ドラゴンクエスト」シリーズの開発などで知られる渡部辰城。


◆4「オーシャンズ8」(2018.8.10封切り) A

 ターゲットも、ダマシも、史上最強
 目撃者は、全世界。

 「オーシャンズ」シリーズの最新作。今回のメンバーは全員女性。

 サンドラ・ブロックほか、ケイト・ブランシェット、アン・ハサウェイ…って、まさにドリームチームではありませんか。

 ストーリーもさることながら、このゴージャスな女優陣の火花散る演技対決だけでも一見の価値あり。

オーシャンズ8

(C)2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.,
VILLAGE ROADSHOW FILMS NORTH AMERICA INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

 しかも世界的ファッション・イベント会場から宝石を盗み出すというのですから、絵づらもまた豪華。

 鮮やかな盗みの手口も見ていて楽しいし、実は9人目が見えないところで一番汗をかいていたというラストのネタばらしも最高!

 痛快無比とは、こういうのを言うんでしょうね。

◆映画.comの解説から引用

 スティーブン・ソダーバーグ監督が手がけ、主演のジョージ・クルーニーほかオールスターキャスト共演で話題を集めた「オーシャンズ」シリーズを、新たにオール女性キャストで描くクライムエンタテインメント。クルーニーが演じたダニー・オーシャンの妹デビー・オーシャンが主人公となり、女性版オーシャンズが結成される。史上最強の犯罪ドリームチーム「オーシャンズ」を率いたカリスマ的リーダー、ダニー・オーシャンの妹デビーが仮釈放された。出所したデビーは犯罪プロフェッショナルである7人の女性に声をかけ、ニューヨークで開催される世界的ファッションイベント「メットガラ」の会場で1億5000万ドルの宝石を盗み出すという前代未聞の計画を実行に移す。デビー役のサンドラ・ブロックほか、ケイト・ブランシェット、アン・ハサウェイ、ヘレナ・ボナム・カーター、歌手のリアーナら豪華女優陣が顔をそろえる。ソダーバーグがプロデュースを務め、「ハンガー・ゲーム」のゲイリー・ロスがメガホンをとった。


◆5「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」(2018.8.3封切り) S

 究極の不可能へ

 あ、失礼。痛快無比ってのは、やっぱコッチですね。

 目に見える敵よりも本当に悪い奴は別の所に居る…という鉄板のパターンは今回も健在。

ミッション:インポッシブル/フォールアウト

(C)2018 Paramount Pictures. All rights reserved.

 展開の速さ、たたみかけるサプライズに今回も息つく暇なし。

 で、何といっても圧巻なのは、終盤の敵ボスと繰り広げるヘリ同士の闘い。

 このシリーズはCGやスタントマンで胡麻化さず、実際にトムが危険なシーンに挑むという所がウリですけれど、自らヘリを操縦してチェイスを行うため、半年間に及ぶ操縦の特訓を行ったそうです。

 しかしなぁ… このヘリ・チェイス、核爆弾の起爆装置を持って遁走する敵ボスを逃がさないため、最後は体当たりするのですから、さあ大変!

 これってまさか本当にやってないよなー。いや待てよ。うむむむむ・・。

 しかも! しかもですよ! 衝突したヘリは当然に(2台とも)墜落。

 それが絶壁の崖っぷちに引っかかる。

 ここでまた、二人のバトルが始まります。

 会場内はもう悲鳴につぐ悲鳴で阿鼻叫喚のチマタ。僕も上げましたよ、悲鳴。

 でもって、起爆装置の秒読みはどんどん進んでいく。え~あと一秒!!!?

 って、主人公は絶対に死なないので、そこは安心ですが。

 しかしまあ、トムも頑張るなぁ・・。いったい幾つになったんだ?

 1962年生まれだから・・・56歳!?

 まあ、ジャッキー・チェンも元気なんで、まだまだやれるでしょう(笑)

◆映画.comの解説から引用

 トム・クルーズ主演の人気スパイアクション「ミッション:インポッシブル」シリーズ第6作。盗まれた3つのプルトニウムを回収するミッションについていたイーサン・ハントと仲間たちだったが、回収目前で何者かによりプルトニウムを奪われてしまう。事件の裏には、秘密組織「シンジケート」の残党が結成した「アポストル」が関与しており、手がかりはジョン・ラークという名の男だった。ラークが接触するという謎めいた女、ホワイト・ウィドウに近づく作戦を立てるイーサンとIMFだったが、イーサンの動きに不信感を抱くCIAが、監視役として敏腕エージェントのウォーカーを送り込んでくる。イーサンは疑惑の目を向けるウォーカーを同行しながら、ミッションを遂行するのだが……。シリーズを通してさまざまなスタントに挑んできたクルーズが、今作でも、ヘリコプターを自ら操縦してアクロバット飛行にも挑戦するなど、数々の危険なスタントをこなした。前作に続いてクリストファー・マッカリーがメガホンをとり、シリーズで初めて2作連続の監督を務めた。共演はシリーズおなじみのサイモン・ペッグ、ビング・レイムス、前作から続けて登場するレベッカ・ファーガソンのほか、ウォーカー役で「マン・オブ・スティール」のヘンリー・カビルが初参戦した。

 

/// end of the “cinemaアラカルト217「アリータ バトル・エンジェル+4”///

 

(追伸)

岸波

 いやぁ、書いちゃいました。

 カリスマ彰の分も入れてですが、cinemaアラカルトに一日3本あげるのって初めてじゃないでしょうか。

 実は、頑張りの背中を押したのは彰だけでは無かったのです。

 その人は外でもない、TVビデオも含めてほぼ毎日映画を観ているというpie造さんであります。

 Pie造さんがそんなですから、僕が観た映画はもちろん彼も観ているということで、感想を突き合わせしたりしてるんですね。

 ところが… 初めて僕と彼とで大きく評価が分かれる作品が登場したのです。うむむむむ・・。

 ということで、僕の方もその作品について一言書かなければならないなと。

 その作品とは何か? それは次回をお楽しみに♪

 

 では、次回の“cinemaアラカルト”で・・・See you again !

移動都市/モータル・エンジン

(C)Universal Pictures

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To be continued⇒  “cinemaアラカルト218” coming soon!

 

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