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「Blue Island」(TAM Music Factory)
by 岸波(葉羽)【配信2005.10.10
 

◆この記事は作品のストーリーについて触れています。作品を実際に楽しむ前にストーリーを知りたくない方は閲覧をお控えください。

 こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。

 助けたい。その想いは、ミッションを超えた。

 ロブ・コーエン監督の「ステルス」を観てまいりました。

 ただし今回は、ケイコと二人ではありません。

 もう一人の人物・・・それはっ!?

「ステルス」

daddy なあ、タケヒコ。俺たちとメシ食いに行かない?

タケヒコ店長 ええー! メシ食っちゃった。(しかも“鍋”)

ケイコ なぁんだ、せっかくその後で映画に行くのにネ・・。

タケヒコ店長 映画? 何見るの?

daddy もちろん、今日から始まった・・「ステルス」!

タケヒコ店長 行く行く、行きます、行かせてくださーい!

ステルス

ステルス

←奥の一機は、無人ステルス機“エディ”。

 ・・・そんなワケで、本日(10月8日)封切りの「ステルス」を見て来ました。

 監督は、「ワイルド・スピード」や「トリプルX」でスピード感溢れる映像に定評のあるロブ・コーエン。

 主演は「ワンダーランド」や「ハルク」のジョシュ・ルーカス、「ブレイド3」や「エリザベス・タウン」のジェシカ・ビールに加え、「Ray/レイ」でオスカーを受賞したジェイミー・フォックスの3人です。

 

 ステルスとは、機体がレーダーに映らない忍者戦闘機。

 主人公の3人は、「テロ壊滅」を任務とする米国海軍最高のステルス・パイロット(トップガン)。

 ある日、彼らのチームに4番目のメンバー~“エディ”が加わることを通告されるのですが、それは、人間ではなく、人工知能を搭載した最新鋭の無人ステルス機だったのです。

 4機編隊の初演習で、完全無欠の戦闘マシーン“エディ”は、華麗な制空テクニックを披露するのですが、帰還途中に遭遇した雷雨の中で雷に直撃され、「自我」が芽生えてしまいます。

 暴走を始めたエディは、勝手に攻撃目標を設定し、ロシアの街一つを消滅させようと国境を越えて行く。

 それを阻止せんと、追撃するベン、カーラ、ヘンリーの3人。

米海軍ステルス・チーム

米海軍ステルス・チーム

(左からヘンリー、カーラ、ベン)

←いわゆるトップガン!

 さて、勝利するのは世界最強のパイロットか、究極の戦闘マシーンか・・・迫りくる国家的危機、世界の運命は彼ら三人に託された!

「人間をナメるんじゃない!」・・・パートナーを失ったベンの悲痛な決意。

 ほーらね、思わず手に汗を握ってしまうでしょ?

 はっきり言って燃えました。

 何せ、そんじょそこらの映画とは、スピード感と緊張感が違います。

 ところがっ・・・!

ヘンリー

ヘンリー

(ジェイミー・フォックス)

 この映画の予告編を見れば、誰もが、人間対究極の戦闘マシーンの白熱のエア・バトルを想定して映画館に足を運ぶでしょう。

 ところが、実はそれがクライマックスではありません!

 確かに、黒人パイロットのヘンリーがエディとの対決で命を落とし、女性パイロットのカーラは操縦不能になって脱出・・・リーダーのベンが一人でエディに闘いを挑むシーンが前半のクライマックスですが、そこから先、意外な展開になるのです。

 迎撃するロシア軍戦闘機との航空戦で被弾したエディは、ベンの説得に応じて帰還に同意し、2機はプロジェクト主任であるカミングス大佐の指示で、アラスカの民間軍事工場に補修を求めに・・。

 しかし、このカミングス大佐は、自分の不始末が露見することを恐れ、事件を3人の責任にして隠蔽しようと、北朝鮮に降下したカーラには救援を送らず、アラスカに到達したベンの口を封じるために殺害しようとします。

 ここからがストーリーの核心で、ベンはエディに乗り込んで脱出し、北朝鮮に不時着した同僚(実は恋人でもある)カーラを単身で救出に向かうのです。

エディに乗って脱出するベン

エディに乗って脱出するベン

 うむぅ・・・予告編では敵役だと思っていたエディが実は味方かいっ!・・という意外な展開に意表をつかれます。

 そして、映画は怒涛のクライマックスへ。

 既出の映画評を見ると、エディとの対決が伏線でしかなかった点で「期待を裏切られた」とする論評もチラホラ・・。

 そのへん、どうなのか?

 ここで、三者三様の「ステルス」評を・・・。

ケイコ ケイコ 

 結局、この監督はスリリングな映像を撮りたかっただけなのね。

 だから、ストーリーは何でもよかったの。

 それと、最初に操縦ミスで死んでしまう黒人のヘンリーの描かれ方や非人間的な北朝鮮の兵士たちを見ると、“有色人種蔑視”を感じてしまうわ。

 第一、北朝鮮の山村の人達が、あんなにのどかに暮らしているものかしら?

 食べるものにも事欠いていると思うんだけど・・。

スリリングな飛行

スリリングな飛行

←地上すれすれを滑空!

タケヒコ店長 タケヒコ店長

 映画の一番最初に「この映画はエンディング・ロールの後にもスートリーがあります。」って出たけど、あれが全てだな。

 本当に面白い映画なら、あんなこと言われなくても“最後になにかあるんじゃないか”って、自然に終わりまで見るもの。

 ストーリーにはやや無理があるけれど、スピード感のある映像は素晴らしかったので、評価の難しい映画だった。

 それで、褒めようか、けなそうか考えているところに、あのエンディング・・・。

←(詳しくは書けません。)daddy

 あれで、いきなり「評価決定!」さ。

 ターミネーターならともかく、エディ、お前には●●(伏字)が無いだろう。

ステルス

ステルス

daddyいやいや、そんなことはない。

 結局、一番悪いのは、焦点のずれたあの予告編を作った人。

 予告編の先入観さえ無ければ、映画そのものは十分楽しめるものじゃないかな。

 (トップガンと究極マシーンの戦闘だけを期待して見に来た人は可哀そう・・。)

 ベンがエディに乗り込んで北朝鮮に向かう時、「思いなおせ。絶対無理だ。」という基地からの通信を「もういいでしょう」とエディが遮断して、ベンの気持ちとシンクロするシーンは、思わず喝采を上げたくなったよ。

 また、(エンディング・ロール前の)最後のシーンで、救出されたカーラとベンが交わすセリフは、まるで007シリーズのようなウィットを感じさせる。

 敵だと思っていた者が実は味方で、力を合わせて困難に立ち向かうという設定は、まるで「ファイヤー・エンブレム」だけれど、こういうストーリーっていいよね。

 むしろ、「究極のコンピュータが意志を持って人類と敵対する」という予告編のスタンスで映画を作ったら、どこにでもありがちな薄っぺらいストーリーになってしまったろう。

 絶対、一見の価値あり!

ベンとエディ(無人ステルス機)

←友情が芽生える!

 そんなワケで、全く評価の分かれた今回の「ステルス」。

 さて、アナタの評価はどっち?

 (ただし、見に行く時には予告編のことを忘れましょう。あはははは!)

 

/// end of the “cinemaアラカルト20「ステルス」” ///

 

(追伸)

岸波

 この映画を見たのは、好山園芋煮会があった日の夜・・・ちょっとくたびれました。

 “芋煮会レポート”の方は、参加者の皆さんから写真が届くのを待って、「岸波通信」か「四季彩々」に掲載しましょう。

 少しお待ちくださいね。

 

 では、次回の“cinemaアラカルト”で・・・See you again !

蛾の写真

ステルス

←おっと、違ったぁ!

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To be continued⇒  “cinemaアラカルト21” coming soon!

 

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