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「Blue Island」(TAM Music Factory)
by 岸波(葉羽)【配信2016.1.17】
 

◆この記事は作品のストーリーについて触れています。作品を実際に楽しむ前にストーリーを知りたくない方は閲覧をお控えください。

 こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。

 目覚めよーーー

 遅ればせながら、J・J・エイブラムス監督の『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』をケイコと観てまいりました。

 2005年の「スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐」でシリーズ6作が完結してからはや10年。「エピソード6 ジェダイの帰還」から新たな展開を始める再起動の狼煙が天高く上がったのであります。しかし・・・

 いつものように、“封切り直後”に行かなかったのは、深ぁいワケがあったのでございます・・。

スター・ウォーズ/フォースの覚醒

(C)2015 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved

 それというのも、最初の三部作は公開されるごとに胸を躍らせて見に行ったものですが、父の世代のアナキン・スカイウォーカーが主人公となるエピソード1~3には見るたびにガッカリさせられたからです。

 そりゃあ確かにSFXは進化しましたよ。でもね・・。

 「スターウォーズ4~6」が公開されていた時期には、並行して「スーパーマン」もシリーズ上映されていましたが、その後半から重なる形で「ブレードランナー」や「ターミネーター」、「エイリアン」さらにその後「ジュラシック・パーク」などSF映画の新たなる金字塔となる作品群が公開されました。

 そうした中で、1999年からスタートした新三部作には相当なプレッシャーがあったのでしょう・・「昔のままではダメだ」と。

 (ブレードランナー) 

 で、どうしたかというと、シリアス路線に走ったのですね、暗黒面とか苦悩とか葛藤とか。

 だから、とにかく明るいハン・ソロのようなキャラクターが居なくなった・・ここ、大いに不満なのです。

 シリアスだけで作ろうとするとどうなるでしょう?

 暗くなる・・それ当たり前。そんなことではなく、逆に「リアル」じゃなくなるのです。人生楽ありゃ苦もあって、ごった煮なのがリアル世界。だから、感動も生まれてくる・と思う。

 エピソード1~3のどうしようもなく暗い世界は、まさに作り物のシリアス。鼻について、ケイコともども途中で何回眠くなったことか・・。

 ついでに言えば「2 クローンの攻撃」からアナキン・スカイウォーカー役に抜擢されたヘイデン・クリステンセン、やたらとカッコいい。そこは認める。

 (ヘイデン・クリステンセン) 

 しかし同役でゴールデンラズベリー賞の最低助演男優賞を受賞。やはり見てる人は見ている。

 苦悩って・・演技の中では一番表現が容易な感情なんです。それだけ。

ねぇケイコ、どーする?

そうねぇ・・でも今回でハン・ソロが死んじゃうんでしょ?

どうも噂ではそうらしい。

私たちの人生って、ハン・ソロ(ハリソン・フォード)と一緒に歩んだ人生よね。

多少大袈裟に言えば、そうかな。

じゃあ、看取ってあげましょ、私たちで。

えええー! ・・御意。

 ということで、悩みに悩んだ末出かけて行ったエピソード7(※エピソード番号は除いてプロモーションされている。)「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」はどのような映画であったのか。

 

 結論から行きます。『実に素晴らしい映画でした』。こんなことなら封切り日に来ればよかった(汗)

 まず、何といっても主役のレイを演じたデイジー・リドリーという女優さん。よくこういう女優さんを見つけてくるものですね。

 スタイルは抜群だけど、決して美人ではない(失礼)。だけど凄いんです『目ぢから』が。

 いつでも本気。真っ直ぐ。力いっぱい。彼女がそこにいるだけでスクリーンにパワーが満ち溢れてくる。

 思えば、最初のエピソード4「新たなる希望」のルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)がそうでした。「エイリアン」のリプリー(シガ二―・ウィーバー)がそうでした。

 いやぁ、見てよかったわ。ホントに。

スター・ウォーズ/フォースの覚醒

(C)2015 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved

 映画の冒頭、懐かしいテーマソングとともに例のオープニング・クロールが流れて「エピソード6 ジェダイの帰還」の後の銀河系の状況が説明されます。

 設定は、第2デス・スターが破壊されてから30年後の世界。レジスタンスは新たな銀河共和国を設立し、帝国の存在は過去のものになろうとしていました。

 しかし、帝国の残党からスノークという指導者が現れてファースト・オーダーという反攻軍を率いて銀河を侵食。これに立ち向かうため、今や将軍となったレイア・オーガナ姫(キャリー・フィッシャー)は私設レジスタンスを組織して立ち向かっています。

 しかし・・・最後のジェダイであるルーク・スカイウォーカーは姿を消しており、その力を借りようとするレジスタンス。それを先回りして倒そうとするファースト・オーダーとがし烈な競争を繰り広げる。

 ここに、既に「エピソード7」のテーマが示されています。すなわち~「消えたルークを探せ」。

 そう言えば・・・映画のポスターにレイやフィン、ハン・ソロやレイア、新たな仇役であるカイロ・レンは写っているけどルークがいない!

 そっか、このポスターもまた「エピソード7」のテーマを表していたのか。

スター・ウォーズ/フォースの覚醒

(C)2015 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved

 オープニング・クロールの後、一つの惑星が映し出されます。じっと見ていると・・あれあれ、なんか下の方に影が?

 ところがその影が惑星を真っ二つにするように広がっていく。むむっ、何だコレは!?

 その影がやがて巨大な姿を現してくる・・ファースト・オーダーのバトル・シップです。この意外性のある導入が素晴らしい。一つの惑星を覆い尽くさんばかりの影で、バトル・シップの巨大さが否応なしに理解されます。

 実は、ここが物語のスタートである砂の惑星ジャクー。主人公のレイが廃品回収業で貧しい生計を立てている場所。

 砂の惑星は「4新たなる希望」でもスタートの舞台となっていましたね。(「1ファントム・メナス」もそうだったかしらん?)まさに、スター・ウォーズの“始まりの場所”としてふさわしい星ですね。

 砂の惑星にルークの手がかりがあることをつかんだレイア将軍は、レジスタンスいちのパイロット、ポー・ダメロンを派遣。ルークの居場所を示す地図を入手するも、ファースト・オーダー側がこれを察知。

 ファースト・オーダーの首領スノークは、右腕のカイロ・レンにストームトルーパー部隊を預けて、地図の奪還に向かわせます。

 最初のバトル・シップのシーンは、カイロ・レンの部隊が砂の惑星に到着したことを表していたのです。

レイと廃品回収車

(C)2015 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved

 地図を入手したポーが居たのは、レイが住んでいる小さな集落。ここをストームトルーパー部隊が急襲します。

 逃げきれないと悟ったポーは捕虜になる前に、ドロイド(ロボット)のBB-8の中に隠し、ひとまず逃げて身を隠せと。

 BB-8は砂漠を徘徊するうち、ひょんなことからレイと行動をとることに。一方、捕虜となったポーはフォースを使ったカイロ・レンの拷問であえなく口を割り、用済みとなったところで、一人のストームトルーパーの兵士(フィン)に解放され、二人で基地から逃げ出します。

 フォースを駆使するカイロ・レン・・・まさに最初の三部作のダース・ベイダーのポジション。

 というか、ダースベイダーの遺品のヘルメットを大切に保管し、彼をリスペクトしている。

 というか、ダース・ベイダーの血縁に繋がる者。

←(あ、言っちゃった。ちょっと早すぎたかな。ま、映画の中で明かされるのですけれど。)

 また、ストームトルーパーの裏切り者であるフィン(ジョン・ボイエガ)・・・最初は名前が無くFN-2187という認識番号で呼ばれていたけれど、「呼びにくいから」ということでパイロットのポーから名付けられます。

 この黒人のフィンが、どうやらレイと並んで新しいシリーズの顔となっていくようです。

 だけど、正義感は強いが臆病者でおっちょこちょい。いや~いいですねぇ!こういうキャラが居なかったんだ、「1~3」三部作には。

フィン(ジョン・ボイエガ)

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 フィンがファースト・オーダーから逃げ出そうと思ったのも、初陣となった砂の惑星の戦闘で、仲間が殺された血を見て仰天し、ビビったからでした。

 だけど自分では宇宙船の操縦が出来ないということで、ちょうど捕虜になっていたレジスタンスいちのパイロット、ポーの身柄を解放してトンズラしたのです。

 宇宙船TIEハンターを盗んで二人で脱走したものの、追手に追い付かれて再び砂の惑星に墜落。ポーとはぐれたフィンは、レイやBB-8と出会って「自分はレジスタンス」だと嘘をつきます。

 こんな情けないフィンですが、いいんじゃないですか。世の中いるもの、こういう人。

 (脱出中・・)

  ちなみに、ポーがファースト・オーダーに拘束された時に見張り役をやっていたストームトルーパーの“中の人”は、あの007ダニエル・クレイグです。

 「007 スペクター」の撮影を行っていたイギリスのスタジオに、ちょうど「フォースの覚醒」の撮影も入ったため、ダニエルが表敬訪問。そのままチョイ役出演することになりました。(顔は出ないけど)

 世の中、何が起こるか分かりませんね!

レジスタンスいちのパイロット:ポー・ダメロン(オスカー・アイザック)

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 もう一人、レジスタンスいちの腕利きパイロットを演じるグアテマラ出身のオスカー・アイザック。彼もなかなかのイケメンです。

 クライマックスの宇宙戦でも、ハン・ソロが演じた役廻りを彼が行うなど存在感抜群。もしかすると、レイとフィンのダブル主人公を支えるハン・ソロのようなポジションになっていくのかもしれません。

 でも今回、ポー・ダメロンの露出を控えめにした演出は、最初から彼を主人公以上に目立たせてはまずいという思惑からでしょうか。

 何せ、最初の三部作の真の主人公はハン・ソロとチューバッカのようになってしまいましたから。

(おそらくそういう意図ではなかったと思う。結果的にハリソン・フォードの演技がそれほど魅力的だったということでしょう♪)

 レイとフィン、そしてBB-8に対してファースト・オーダーの追手が迫り、三人(?)はオンボロの貨物船ミレニアム・ファルコン(!)を故買業者から盗み出して脱出。

 敵のTIEファンタ―を撃破して宇宙に逃げたものの、故障により制御不能に陥ります。そこを狙いすましたように大型貨物船が彼らを拿捕。

 乗り込んできたのは、ファースト・オーダー・・・ではなく、何とハン・ソロとチューバッカ!

 待ってました~!!!(パチパチパチ)

帰ってきたぞ

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 ソロは、レイやフィンの身の上話を聞いて、フォースの力やジェダイは実在すると語り始めます。

 最後のジェダイ騎士だったルーク・スカイウォーカーは、大戦の後、新たなるジェダイを育成すべく訓練機関を作ったのですが、弟子のひとりがダークサイドに転向してカイロ・レンとなり、他の弟子たちを虐殺してファースト・オーダーに寝返ります。

 この事件をきっかけに、ルークは誰も知らない星へと身を隠し、隠遁生活に入ります。これが、ルークが消えた理由だったのです。

 そして、原因となったそのカイロ・レンこそ・・・ハン・ソロとレイア・オガーナ姫の息子ベンだったのです! (うわ~またコレかぁ!!)

 一方、カイロ・レンは事の顛末をファースト・オーダーの本拠スターキラー基地でスノークに報告。スノークは、「ライトサイドの誘惑を断ち切るためには父親ハン・ソロと決着を付ける必要がある」と。

 スターキラー基地は、第2デス・スターを超大型化した機械惑星で、粒子砲によって新共和国の本拠地を星ごと消滅させるカウント・ダウンを始めます。

 さて、レジスタンスと合流したレイやフィン、そしてハン・ソロとチューバッカは、ファースト・オーダーの野望を打ち砕くことができるのか?

 はたまた、ハン・ソロと息子ベン(カイロ・レン)の対決の行方や如何に!!

スター・ウォーズ/フォースの覚醒

(C)2015 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved

 映画冒頭のバトル・シップの登場シーンにも驚かされましたが、さらに度胆を抜いたのが、ファースト・オーダーのスターキラー惑星。

 いえいえ、その大きさではありません。新共和国首都星を攻撃するための方法です。人工惑星自体が超巨大な粒子砲になっているのですが、その「弾」・・・何と恒星そのものなのです。(ええ~!)

 恒星の質量をスターキラー惑星の中に吸い込み、それをエネルギーに変換して一気にターゲットに放出!(うんうん、有りうるかも。遠い遠い未来なら。)

 その「充填」のシーンが「まさに、さもあらん」と言うようにリアル。こういう驚きの映像を見せてくれるとは・・J・J・エイブラムス監督、恐るべしっ。

 もう一つ驚いたのは、カイロ・レンがマスクを外すシーン。

 (カイロ・レン)

 ダースベイダーは、マスク無しでは呼吸もできないという設定があり、その素顔は最後まで謎のまま。

 一瞬外すシーンもありましたが、それは後ろ姿で、火傷に爛れた後頭部が見えるのみでした。

 今回もきっとアレコレ理由を付けながら、素顔をダーク・シークエンスに包んで出し惜しみするに違いない・と考えていたのです。ところがっ!!

 レイとフォースで対決するシーンをはじめ、親子の対面シーンまで、惜しみもなくマスクを外して素顔を晒すのです。(おーまいがー!)

カイロ・レン(アダム・ドライバー)

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 で、外してみると、これがなかなかのいい男。2012年の「リンカーン」などにも出演していたアメリカ俳優ですが、ほとんど無名に近かったのではありますまいか。

 終盤近く、父親のハン・ソロと対峙するシーンで、結局、ハン・ソロを自らの手にかけて殺害するのですけれど、その前に泣きながら、これまでの辛かったことを告白するのです。

 これは・・・安っぽい俳優が演じると、いかにも「安心・油断させる」ためという事になるのですが、彼の演技、そしてそのように演出をしたJ・J・エイブラムスの意図を考えると、別のシナリオが見えてきます。

 ベン(カイロ・レン)は、ハン・ソロとレイアから預かった大事な子供ということでルークから期待をかけられましたが、自分自身では、到底その期待に応えるだけの力が無い事を悟って苦しんでいたのです。

 その心の軋轢から極端な行動に走ってしまったのも、今風に言えば「発達障害」の心の病を抱えていたのかもしれません。つまり「悪意」があったのではなく自分自身の「気持ちのコントロール」が効かなくなったのではないでしょうか。動機は「悪」ではない。ここ大事。

 ハン・ソロは、ベンのライトセーバーに貫かれると、一瞬驚いた表情を見せますが、その後、ベンの頬をいたわるように優しく包むと、観念してリアクター・シャフトへと落下して行きます。

 最後のハン・ソロの表情は「恨み」などではなく、初めて息子の心情を理解し、慈しむものであったと感じるのです。

←(あ~「ハン・ソロの真実」とかで「岸波通信」で書くんだったorz・・)

スター・ウォーズ/フォースの覚醒

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 と、いうことは・・・。

 下馬評に言われるように、最後の「エピソード9」のクライマックスは、主人公レイ(&フィン)と悪の権化カイロ・レンとの対決じゃないのでは?

 光の心を取り戻したベンがレイと力を合わせて、ラスボスの姿を現したスノークに挑むのではないかな。

 うん、その方が感動深いもの。(多分)

 また、ルーク・スカイウォーカーのライトセーバーを預かっていた老女海賊のマズ・カナタのこと。

 彼女はCGで作られたキャラで、言うなればヨーダのようなポジションなのですが、驚嘆させるのは、CGで作られたその表情の何と細やかなこと。

 (老女海賊マズ・カナタ) 

 もともと人間とは似ても似つかない容姿なのですけれど、突然呼び起こされた過去の忌まわしい記憶に混乱するレイをマズがいたわり諭す場面の表情なんて、人間そのもの(もちろん人間の顔じゃないですよ)。

 慈しみや逡巡、果ては「愛」まで感じさせる見事なCG演出。ああ、そうだ。この気持ちは「アバター」を見た時も感じたっけ。

 とにかく、こういう「人間性」まで表現するCG技術というのは、高く評価したいです。(世に言われる宇宙戦闘シーンとか爆発シーンとかではなく。)

スター・ウォーズ/フォースの覚醒

(C)2015 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved

 最後に、主人公レイの正体について。

 あえて書きたくなったのは、ネットでベンとの双子説とかが、まことしやかに囁かれているからです。

 僕が実際に映画を観た印象からすれば、レイはハン・ソロとレイアの娘ではないと思います。(だから、ベンと双子でもない。)

 そういう憶測は、最初の三部作でルークとレイアが双子であったという事実が明かされたからだと思いますけれど・・。

 レイと対面した時に、ハン・ソロもレイアも全く気にかけていない様子でした。もし二人にもう一人の子供が居たとすれば、あの演出はないと思います。

 また「過去の忌まわしい記憶よみがえり」シーンで、女の子が無理やり連れ去られるシーンが一瞬出ますが、おそらくあの子がレイ自身。それを連れ去られまいとしている子供も女の子でした。「双子」であったならば、あのどちらかは男の子のベンとするのが、演出の常道でしょう。

 では、なぜフォースが使えるのか? ルークがジェダイ騎士の養成を行おうとしていたことから考えるに、その素養を持った人間はそれなりに居るのではないでしょうか。(素養の差はあれ)

 注目すべきは「記憶よみがえりシーン」での背景から聞こえてくる声。“These are your first steps.”と言っているのは、オビ・ワン・ケノビの声であったように思います。

 最初の一歩・最初の試練・・フォースの素養がある(普通の)有望な少女に試練を課したのか?

 あるいは彼女がルークの娘であって、ルークが行方不明になった後、その身を案じて砂の惑星にあえて置き去りにされたレイに対し、ジェダイの魂が進むべき道を告げたのかもしれません。

スター・ウォーズ/フォースの覚醒

(C)2015 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved

 「スター・ウォーズ」は、ジョージ・ルーカスが当初から9連作の構想を持ち、続編が作りやすいよう、最も盛り上がるシーンがあって人気を博しやすいであろう「新たなる希望」から映画化されました。

 ところがルーカスは、期待通りの評判を得て「4・5・6」から「1・2・3」までを作り終えた時点で当初の構想を変更し、シリーズの完結を宣言しました。

 今回の「7」制作の話が復活したのは、ルーカス自身が立ち上げた映画制作会社「ルーカスフィルム」をウォルト・ディズニー・カンパニーに売却することが決まってから。

 ルーカスフィルムは40億5000万ドル(約3200億円)で売却できたそうですが、ルーカスがこの値をつり上げるため、「7・8・9」の制作構想をぶち上げてシナリオまで用意したと噂されています。

 でも、果たしてそうでしょうか?

 ジョージ・ルーカスがお金に困っているという話も、お金に執着しているという話も聞いたことがありません。

 しかし、ルーカスは「1・2・3」が成功したとも思っていないでしょう。

 きっと彼は自分の年齢的な限界を感じ、我が子のように考える「スター・ウォーズ」サーガの成長と完結をディズニーに“託したかった”のではないでしょうか。

 結果、ディズニーはルーカスのシナリオを廃棄して、新たなる構想の下に「フォースの覚醒」を制作し、十二分に成果を残しました。

 ルーカスの“想い”は、より良い形で成就されたのです。

 「スター・ウォーズ」よ、永遠なれ。

 

/// end of the “cinemaアラカルト171「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」”///

 

(追伸)

岸波

 えーと・・最初の三部作の締めくくりエピソード6ですが、日本での公開当時は「ジェダイの復讐」というタイトルで封切られました。

 現在「ジェダイの帰還」と改題されているのは、やはり“復讐”という言葉がジェダイに似つかわしくないという判断からだそうです。(僕も混乱しました。)

 また、フィン役を演じたジョン・ボイエガは、イギリスのヴォーグ誌からエピソード8の脚本について誌に尋ねられると、「『フォースの覚醒』よりもさらにダークになる」と答えたそうです。うむむむむ・・ホントかなぁ。

 その取材が本当であったならば、おそらく「8」と「9」は「1・2・3」と同じ間違いを冒して失敗することになるでしょう。(そもそもボイエガに脚本をバラす権限があるのか??)

 僕は全くのガセか、ボイエガのジョークを真に受けたものと考えています。

 そうそう・・BB-8の登場で影が薄くなった感のあるR2D2とC3POですが、「フォースの覚醒」の最後、ルークの待つ惑星に向かうミレニアム・ファルコンに、レイやチューバッカと一緒にR2D2とC3POも乗り組みます。(つまり、ハン・ソロの代わりがレイ。)

 そのR2D2の“中の人”、何と1977年最初の「スター・ウォーズ」とずっと同じ人なんですね!(ええ~同じ役を40年近く!?フーテンの寅さんより長い!!)

 最後に、そのオマケ画像を♪

 

 では、次回の“cinemaアラカルト”で・・・See you again !

R2D2の「中の人」(ケニー・ベイカー)

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To be continued⇒  “cinemaアラカルト172” coming soon!

 

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