こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。

　「いつの間にこんなに部門が増えたんだ？」

　映画人たちの憧れであり、大きな目標であるアカデミー賞。

　でも、いったい何部門あるのか、いつ出来たのかなど、知っているようでよく判らないではないでしょうか？

　ということで、今回のcinemaアラカルトは、アカデミー賞の謎に迫ります。

１　アカデミー賞の数？

　裸の銃を持つ男～Naked Gunシリーズの第３作「Naked Gun 331/3」には、伝統あるハリウッドのアカデミー賞授賞式をメチャクチャにしようとするテロリストが出てきました。

　このテロリスト、こともあろうにアカデミー賞の受賞者を発表する封筒の中に爆弾を隠したのです。

　現場にかけつけた警部は、急いで封筒を改めようとしますが、目の前に山と積まれた封筒に驚いて、こんなことを言います。

「いつの間にこんなに部門が増えたんだ？」

「今年は75部門新設したそうよ。」

（←うっそぉー！）Rio

　まさか、本当にそんなことは無いでしょうが、確かにアカデミー賞にはいろいろな部門がある・・・よく分からない。

　そういえば、例の「千と千尋の神隠し」が受賞した長編アニメ部門も、昨年（2002年）新設されたもの。・・・いったいアカデミー賞って、何部門あるかご存知でしょうか？

　では、2003年3月に発表された第75回アカデミー賞受賞作品を見てみましょう。

第75回（2003年)アカデミー賞受賞作品（者）
ＮＯ	部門名	受賞作品（者）	備　　　　考
1	作品賞	「シカゴ」
2	監督賞	ロマン･ポランスキー	「戦場のピアニスト」
3	主演男優賞	エイドリアン・ブロディ	「戦場のピアニスト」
4	主演女優賞	二コール・キッドマン	「めぐりあう時間たち」
5	助演男優賞	クリス・クーパー	「Adaptation」
6	助演女優賞	キャサリン・ゼタ＝ジョーンズ	「シカゴ」
7	脚本賞	「トーク・トゥ・ハー」
8	脚色賞	「戦場のピアニスト」
9	撮影賞	「ロード・トゥ・パーディション」
10	編集賞	「シカゴ」
11	美術賞	「シカゴ」
12	衣装デザイン賞	「シカゴ」
13	メイクアップ賞	「Frida」
14	視覚効果賞	「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」
15	音響賞	「シカゴ」
16	音響効果賞	「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」
17	作曲賞	「Frida」
18	主題歌賞	「8 Mile」	「8 Mile」
19	外国語映画賞	「NOWHERE IN AFRICA」	ドイツ
20	長編アニメーション映画賞	「千と千尋の神隠し」
21	長編ドキュメンタリー映画賞	「BOWLING FOR COLUMBINE」
22	短編ドキュメンタリー映画賞	「Twin Towers」
23	短編賞（実写）	「This Charming Man」
24	短編賞（アニメ）	「The Chubbchubbs」

・・・ということですねぇ。でも、実はこれで終わりじゃないんです。

　1999年の受賞作品を見ると、作曲賞が二つ・・・「ミュージカル／コメディ部門」と「ドラマ部門」で、それぞれ「恋に落ちたシェイクスピア」と「ライフ・イズ･ビューティフル」が受賞しています。

　そうです。作曲賞は実は二部門に分かれているのです。

　該当作品が無い年もあるワケです・・・。さらに年によっては、この他に「名誉賞」と「特別賞（アービング・Ｇ・サルバーグ賞）」が授与されることがあります。

　第73回（2001年）には、ジャック・カーディフとアーネスト・レーマンが特別賞を同時受賞しています。

（←つまり「名誉賞」と「特別賞」は、複数受賞もあるのネ。）

　ですから、アカデミー賞の部門賞は合計27あって、年によっては27人以上の受賞者が出ることがある、というのが正解です。

「皆レス２」で噂のレニー・ゼルウィガー 「シカゴ」で好演するも、主演女優賞の栄冠は ライバルの二コール･キッドマンに奪われる。 （※脚線美の写真が見つからない。残念！）

２　「アカデミー賞」事始

　アカデミー賞がどうして始まったかというと、1927年に設立された「映画芸術科学アカデミー協会」の初代会長である俳優のダグラス・フェアバンクスが映画振興のために企画したものでした。

　当初は、五人の選定委員会で受賞者が決定されていたため、第一回特別賞を受賞したチャールズ･チャップリンは「少数の人間の決めた賞など、たいした名誉ではない」と言ってたしなめ、第二回女優賞を受賞したメアリー・ピックフォードは、何と五人の選定委員全員を自宅で接待していたというスキャンダルも露見しました。

　現在では、公平を期すために、映画芸術の発展に寄与したと自他共に認められる会員約5千名の投票で決めることに改められ、テレビ中継の開始（第25回～）以降、年々ショー的な色彩を強めて来ました。

　今年3月に行われたアカデミー賞授賞式は、対イラク開戦から四日目だったこともあり、反戦ムードに包まれたものになったようです。以下のような記事が・・・。

　余談ですが、受賞者に贈呈される黄金の像の名前・・・知っていますか？　えっ、オスカー？

　実は、オスカーとは単なるニックネームで、正式な名前は付いていないんだそうです。

　では、何故オスカーと呼んでいるかといえば、昔、アカデミー協会の女子事務員がこの黄金像を見て「私のオスカーおじさんにそっくり！」と言ったためだとか・・・。

　まあ、コレは、ハリウッド流のジョークなんでしょうけどね！

　

/// end of the “cinemaアラカルト8「アカデミー賞の謎」” ///

（追伸）2018.2.26

岸波

　現在の話に置き換えようかと思いましたが、それやると他のもみんな本格リメイクしなくちゃならなくなるので、最初のままということに。

　新しいモノも書かなくちゃなりませんからね。

　

　では、次回の“cinemaアラカルト”で・・・See you again !

オスカー像 第72回（2001年）の授賞式を目前に、 オスカー像55個が工場から盗まれ、 ５万ドルの懸賞金がかけられた。 写真は盗まれたオスカー像。

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To be continued⇒　　“cinemaアラカルト9”　coming soon!

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