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TVで「アウトレイジ 最終章」(2017年 北野武)を、こんな「てめえ馬鹿野郎」の映画なんて見ちゃイカンと思いながら、ペロリと見てしまう(笑)。

 証券会社出身の2代目会長役の大杉漣(チラシの左下⇒)は2018年2月21日に66歳で急死するが、2017年10月7日公開のこの映画は最後の方の出演作品だろう。

「クリカラモンモンもしてねえ、部屋住みもしてねえテメエなんか素人ヤクザなんだよ」と若頭役の西田敏行に言われて非業の最期を遂げる。

 西田敏行もあんまりヤクザっていうイメージではないけどね。せいぜい香具師ってところだな。

 しかし、大杉漣演ずる二代目会長の死に方(殺され方)が凄い!

 確かに本物のヤクザの迫力はなくて、いくらなんでも軽過ぎで馬鹿にされそうな感じをうまく出している。

 しかし、66歳でロケ時の腹痛から運び込まれた千葉県富津市の病院の集中治療室で急性心不全で亡くなるとは。65歳過ぎたらいつ逝ってもおかしくはないが。

 それとなんとピエール瀧(写真上掲↑)が、変態ヤクザとして登場。

 済州島でSMプレイ(ピエール瀧はM専門のようだ)を強要して嫌がる韓国人売春婦をケガさせて、ストーリーの発端になるなかなか重要な役。

 実際に瀧は、麻薬所持で逮捕されているが、この映画でも組のルールを破ってシャブも扱うニュータイプの組長というのも既に事件を予見している。

 この瀧の死に方もなかなかに壮絶なではあった。

 最優秀演技賞は、花菱会の若頭補佐の中田役の塩見三省(写真上掲↑)という役者だったなあ。

 上の者からの叱られ方がなんとも上手い。ホントにヤクザやったことがあるんじゃないかと思わせるような見事な演技だった。

 その他では白竜(チラシで白いジャケットを着ている)がやはりいい味出している。

 一方、鉄砲玉役の原田泰造などミスキャストも無いわけではない。

(2020.3.6「岸波通信」配信 by 三浦彰 &葉羽

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