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TV録画で映画「愛すべき女・女(め・め)たち」( 1966年 オムニバス119分)を見る。

 タイトルは「世界最古の職業つまり娼婦たち」の意味だ。

 6人の映画監督による石器時代から近未来までの娼婦をテーマにした20分程度の6本の短編映画集(RG12指定)だ。

 1960年代にはこうしたオムニバスがかなり作られているが、これは珍品だ。

 先月亡くなったアンナ・カリーナ追悼の意味合いか最後の第6話は「未来展望或いは2001年愛の交換」と題されたジャン=リュック・ゴダール監督とアンナ・カリーナのコンビの最後の映画である。

アンナ・カリーナ(右)

 モノクロで完全にゴダールタッチの映画になっている。

 第3話はジャン=クロード・ブリアリと2017年に亡くなったジャンヌ・モローによる「貴族好み」というフィリップ・ド・ブロカ監督の映画。

ジャンヌ・モロー

 この客(貴族の扮装をしたチンピラで娼婦から金を借りるのに成功)の次の客はなんとコルシカ島出身の軍人ナポレオンだ。

 第4話はミヒャエル・フレガール監督の「ベル・エポック/手管に踊る倖せ」でラクウェル・ウェルチが主演。

ラクウェル・ウェルチ

 銀行家を騙してその妻になった娼婦の手練手管を好演している。

 他の3話も娼婦が主演の大人のコメディだが実に楽しい。

 ただし最初の石器時代の話で出演者がカラフルな水着(?)を付けているのだけは興醒めだったが。

 CATV洋画専門チャンネル「ザ・シネマ」によるレア作品放映だが、J:COM契約による大恩恵である。この1本だけで元が取れた感じだ。

 極私的にはこの映画は今年のベスト映画の有力候補だ。どっかでこの映画タイトルを見つけたら必ず見て欲しい。

 ただし類似タイトル多数につき注意。

                

(2020.1.24「岸波通信」配信 by 葉羽&三浦彰)

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