「windblue」 by MIDIBOX


私が元証券マンなのを知っている人々は「今年、儲かる株を教えてくれよ?」と気軽に言ってくる。

 株はそんなに甘いものじゃないし、こういう人々は、儲かったら何も言ってこないし、損したら損金を払えぐらいの勢いで迫ってくるので、そういう質問には答えないことにしている。あくまでも投資は自己責任でお願いします。

 それと、株というのは「買い」ばかりではない。いわゆる空売りと呼ばれる「売り」もあり、こちらは大怪我することもあるので、素人はやらない方がいい。

 私は、ファッション週刊紙の編集委員をしている手前、自分ではファッション株の売買はしていないし、また「売り」の推薦などは断じてできないのである。

何かと物議をかもす第45代アメリカ合衆国大統領ドナルド・トランプ

 2017年は、トランプ大統領誕生&1年目、米国の利上げ、欧州各国の大統領・首相選挙が控えており全く不透明であり、素人は株に手を出さないのが無難だ。

 それでなくとも史上最高値圏にあるニューヨークダウ平均は言うまでもなく、日本の日経平均も冷静に見れば高水準であるのは間違いないのである。

 そうは言っても上がる株がないわけではないので、ファッション&アパレル株について、もう2月も終わるタイミングではあるがちょっと予想してみた。

 下表に、昨年1月4日大発会の終値と今年1月4日大発会の終値を比較して上昇率ベスト10を挙げてみた。

順位 銘柄 2016年1月4日終値 2017年1月4日終値
1 TOKYO BASE 449.82 2130
2 ANAP 234.5 513
3 スタートトゥデイ 1285 2057
4 パレモ 218 315
5 西松屋チェーン 1039 1406
6 ニトリホールディングス 9980 13380
7 リーバイ・ストラウス ジャパン 273 339
8 ジェイアイエヌ 4400 5460
9 川辺 170 205
10 島忠 2672 3140
 日経平均株価 18394.3 19594.16

 第1位は断トツでTOKYO  BASE。旧社名はSTUDIOS(ストゥディオス)。日本人デザイナーブランドで差別化を図るセレクトショップ・チェーンの新興勢力である。

 2015年11月にマザーズに上場以来、殆ど「棒上げ」でここまで来た。2016年では実に5倍近くまで上げた。いかに新規事業が好調で業績が上方修正に次ぐ上方修正でも株価が一株当たりの純利益の40倍以上になっており、ちょっと怖くて勧められない。

TOKYO BASE

 第2位のANAP(ジャスダック上場)も、そろそろ通年で黒字決算がみえてきている程度の業績回復をはやして買われているのだろうが、赤字企業としては買収?仕手?と思える値動き。

 ただしEC化率が51%で大化けの可能性がある企業ではある。ただしもう素人の買い場はとっくに過ぎた。

 第3位のスタートトゥデイ(東証1部)はファッション&アパレルのネットショッピングの王者。アマゾンなどの外資企業の追撃をものともしない、圧倒的な強みを考えると中期的に3000円はあっても不思議ではないと思う。

 第4位以下で私が注目しているのは第6位のニトリホールディングス(東証1部)。SPAにおけるスウェーデンのH&M、日本のユニクロと同じ図式が、スウェーデンのイケア、日本のニトリという図式で再現されそう。

ニトリホールディングス

 最近の都市部でのファッションビル戦略も成果が出そうだ。株式分割もありそうで、ここからでも十分に買える。

 さらに第8位のジェイアイエヌ(東証1部。近日中にJINSに社名変更)にも注目している。

 眼鏡を単なる視力矯正器具と捉えないJINS MEME(ジンズ ミーム)などの斬新な発想は実にユニーク。

 中国でも人気で、中期的には7000円が狙えそうだ。

※右の背景画像は最近の展示会で見た傑作! 「コムデギャルソン・オム プリュス」の今秋冬。テーマは「ボーイフッド(少年時代)」。 鉄男の孫にと思ったが、子供服はないのだった! (本文とは関係ありません。)

                

(2017.2.24「岸波通信」配信 by 葉羽&三浦彰)

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