|
|||
|
楽翁師匠が撮影した2007年3月末の猪苗代湖です。
好山楽翁 先日、猪苗代町に行ったら磐梯山と猪苗代湖がとても綺麗だったので写真に収めてきました。(2007.3.21)
葉羽
楽翁師匠、ありがとうございます。 とてもキレイな風景ですね。 では、僕が猪苗代湖にまつわる伝説なども含めてご紹介いたしましょう。
猪苗代湖は天鏡湖とも呼ばれ、福島県のほぼ中央に位置する大きな湖です。
北岸にある磐梯山、さらにその北側の裏磐梯湖沼群とともに福島県を代表する自然観光スポットで、白鳥の飛来地としても知られています。
大昔、磐梯山が大規模な噴火をし、周囲の川がせき止められて出来た湖だそうです。
伝説によると、昔、弘法大師が会津を訪れた時に、土地の女に水を乞うたのに断られてしまい、別の村で米を研いでいた翁と言う名前の貧しい女に米のとぎ汁を乞うと、今度は快く飲ませてもらえました。
その翌日に磐梯山が大噴火し、52の村が陥没して湖底に沈んでしまいましたが、弘法大師に水を与えた翁の家だけは湖底に沈みませんでした。
それが現在の翁島だと伝えられています。
なお、翁島にある磐越西線の翁島駅は、かの野口英世博士がアメリカで成功して、母シカのもとに帰ってきた時に、この駅に降り立ち、地元民から盛大な歓迎を受けた場所です。
また、壷下浜から南ヘ1キロタートル、山潟の五万堂山の大崎の鼻から西ヘ1キロメートル程の所で交差する沖合いが猪苗代湖で最も深い場所です。
ここは「三把菅げ」と呼ばれ、その湖水面は不思議な波が起こる舟の難所であるために、地元民は決して近づかないそうです。
言い伝えでは、ここの湖中の東壁は大きな断崖になっていて、西風が吹くと波が山把菅げの場所で上下に渦巻き、舟が巻き込まれて転覆するとされています。
渦に巻かれて湖底に沈むと、深い谷間に沈殿した泥に飲み込まれてしまうため、昔から「三把菅げ」の仏は死骸が上がらないと恐れられています。
その昔、魚獲りのために三把菅げに差しかかった舟がそこで動けなくなり、水の中から「ここは深いから通るな」という不思議な声を聞いたのだそうです。
男は「どれほど深いのだろう」と、持っていた菅三束を一本づつ繋ぎ、先に重りをつけて水中に垂らしてみましたが、まだまだ底には届きません。
こんな深い場所から声が聞こえるとは、下に竜宮城でもあるに違いないと恐ろしくなり、命からがら脱出した後は、決してその場所には近づきませんでした。
またある時、新川崎(長瀬川河口)から除々に波が湧き出し、その波に乗って竜神が現れ、三把菅げで水中に消えたとする言い伝えもあります。
こうした猪苗代湖の竜宮伝説、真偽の程は定かでありませんが、土地の漁民が大自然に対する畏敬の念を擁いていたことだけは間違いが無さそうです。
2007.3.24 葉羽 (写真撮影:好山楽翁)
|
Copyright(C)好山楽翁&葉羽.All Right Reserved. |