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Secret-59 「嵐の初盆」

「傷だらけの天使」

 前回、3月末の退職(三度目)の記事を書いてから四か月余り。いやぁ、この間、いろいろとありまして。

 何と言っても4月6日の正午過ぎ、長患いをしておりました親父が亡くなりまして、しばらく忙殺されておりました。

 最初の事件は…初七日に勃発しました。

4月と言えば…

 親戚中が我が家の仏壇の前に集合しまして、間もなく約束の時間…のはず。

ヒロヒコ「あんちゃん、お寺さんまだ来ないの?」

「もうそろそろの筈なんだけど…電話してみるわ」

 ということで電話してみると奥さんが出て来まして「朝早くに出かけた切り連絡が付かないんですよ」と。

 うむむむむ…嫌な予感しかしない。

 それでも10分待ち、30分が過ぎ、やがて1時間も超えて一同がざわめき始まった頃…。

「アナタ、お坊さんから電話入ってるよ!」

「お!やっと連絡が。すぐ出るよ!」

「もひもひぃ…」

「どっ、どしました、その声はっ!」

 聞き取りにくい声を聴きとってみると…(途中省略)…

「お寺さん、何だって?」

「熱が凄いんで病院に行ったら、インフルエンザだって」

(親戚一同)えええ~!

「ということで、初七日無しっ!撤収~~!!」

(親戚一同)えええええ~!

 

 続きまして後日、お寺さんから親父の戒名をいただきまして、石屋と打合せの前に、まずはお墓の現地調査へ…。

 大震災でアチコチ傷んだものの、とりあえず墓石は大丈夫。(少し傾いているけど)

 で、戒名を彫る墓誌の部分…。

墓誌の現況

「あれ? ”釋実徳”って言ってたよね。3文字?」

「うん、浄土真宗の教義に則ると、あの長い尾ひれは不要なんだって…」

「だけどお母さんの7文字の半分以下よ!? お布施ケチったからでしょ!」

 いやいや、そういう事ではなく、先代の住職さんが地域性に合わせてサービスしてたとの事。

「こっちが正しいのだが、それでいいか?」と言われたので、にべもなく承諾。

 これでいいんだよ。ほら、この過去帳の通り…。

「そうなのね。ホントだ……あっ!!?」

「どした、ケイコっ!?」

「過去帳の命日が間違ってる!コレお葬式の日よ!」

えええええ~! (過去帳、一冊に繋がってるし…泣)

 

 面白い話 残念な事件はまだまだあるのですが、ぜーんぶ吹っ飛ばしまして先週末の16日、新盆のことでございます。

 折しも巨大台風10号が迫りくる中、波乱の時はやってまいりました。

 実は、おふくろが亡くなった時に親父が、我が家に無かった盆棚や盆提灯を購入しておりまして。

 あの時も組み立ては僕の役目で大変だったのですが、その悪夢が又しても!

 とにかく凄いパーツ数の上、設計図がいい加減なものですから、ケイコと二人で悪戦苦闘。アレヤコレヤと手戻りしながら1時間半をかけてようやく完成。

 (こんな感じ テへペロ♪)

 しかして迎えた当日。約束の時刻は朝9時半。

 ところがっ!!

 10分過ぎ、30分過ぎ…連絡も入らなければ、影も形も見えない…。

「あんちゃん、もしかして……」

「早めに集まってくれって言われたから待ってたけど…電話する!」

 (・・・電話中・・・)

「どうだった?」

「うん、 『ワタシ、9時半・・・って言いましたっけ?』って(泣)」

(親戚一同)えええ~!

 でもって、『あと2~3軒廻ってからなので、少し待ってください』って…

 絶対、忘れてたダロ!!

 さあ、どうする!? 撤収か!? 怒りの撤収か!? うむむむむ・・。

 (ちーん♪)

 ま、親戚中集めといて、そんな訳にもいかず、それぞれ時間の都合とかもありながら、仕方なしに世間話をして時を潰す。

 で、1時間が過ぎた頃、車の入って来る気配が。数軒廻ったにしては早いので、おそらくどこかをオロヌイたのでありましょう。

 汗をかきかき入って来る若住職さん(先代は亡くなったので現当主)を部屋に案内し、心の広い我が親戚は温かくお迎えを。

 そして、仏間に入ったその刹那!!!

あ!!

「どしました!!?」

「浄土真宗では、こういう盆棚は無用なんです。いつも通りのご仏前で」

どわぁ~っ! ヾ( ̄0 ̄; )ノ

 だったら、おふくろの時に言ってくれよ…って、あの時は先代のご住職か(泣)

 もう時間も無いので、そのままお願いすることにし、とにもかくにも嵐の命日は無事(?)コンプリートしたのでありました。

 ちゃんちゃん!

(ToT)  (ToT)  (ToT)  (ToT)  (ToT)

<<THE END>>

 

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