ひと夏のデンジャラス・ストーリー(詩:葉羽)
あれはまだ学生の頃 夏休みのある日キヨタカからの電話
「おいどうせヒマなんだろ?駅前に出て来いよ」
駅前のショップでコーヒーを飲んでいると
キヨタカが思いついたように言う
「そうだ、これからノブユキのところへ行かない?」
「ちょっと待て!ノブユキって北大だろ?札幌だよな?」
「第一、俺は金なんか持って無いしこの格好を見ろ!
上はTシャツだし足なんか下駄履きだ!」
「大丈夫じゃないか夏だし。金なら俺だって無いけど
札幌までの片道二人分なら何とかなる」と涼しい顔
呆れて口が塞がらない僕に キヨタカの押しの強さ
気が付けば二人は東北線の中・・・
Oh my GOD!! Oh my GOD!!
There’s no way!! There’s no way!!
Our dangerous story of the summer days♪
青森から青函連絡船に乗り 室蘭に着いたのは翌朝
ところがキヨタカの雑な計算で札幌までの金は足りない
仕方なくノブユキに電話をかけてSOS!
「大丈夫だ車で迎えに行くよ」…持つべきものは友達だ
やって来たのはカローラが三台…「ついでに友達も
連れてきた。途中洞爺湖でも見て行こう」ヤッホーイ!
その日の洞爺湖はまさに絶景 透明度は最高
ところがキヨタカ 女学生三人組を見つけてソワソワ
「背の高いコが可愛いからちょっと声をかけてこよう」
おいおいいつもの悪い癖が出たなヤめておけとの
忠告も聞かず ガールハントに行っては
速攻でフラれて帰って来る毎度のパターン
Oh my GOD!! Oh my GOD!!
There’s no way!! There’s no way!!
Our dangerous story of the summer days♪
札幌で北大のポプラ並木を見てジンギスカンを堪能
飽き足らずススキノに繰り出して大酒をかっ喰らい
締めは札幌ラーメンだろうとお決まりのコース
ところがそのラーメン屋 大食いイベントを開催中
30分三杯完食で無料 10分なら無料券10枚とな!
そんなの無理だよ…ん?何で二人して俺の顔を見るっ!?
いつの間にか目の前に並んだ味噌・塩・醤油のラーメン
最初は麺からたいらげろとの店主のアドバイスで
あっという間に麺を完食 そこでキヨタカが言う
「慌てるな、そこで体調を整えるんだ」「なるほど!」
一服してから汁を飲み乾せば これがまさかの11分
「なんであそこで休むかな」「お前が言ったんだろ~!」
Oh my GOD!! Oh my GOD!!
There’s no way!! There’s no way!!
Our dangerous story of the summer days♪
(間奏)
「ところでいつ帰るんだ」「実は帰りの車賃が無い」
口をあんぐりするノブユキ でもその後が偉かった
仲間に頭を下げてカンパをかき集め 自分のなけなしの
生活費まで加えて「俺なら大丈夫だ 二日も我慢すれば
仕送りが届くはず」…持つべきものは友達だ
思わず涙が零れそうになったのは言うまでもない
連絡船に乗船前の最後の食事は一杯のかけそば
ネギは無料というので山盛りにして分け合って食べる
ところがよくよく計算してみると二人福島へは帰れない
仕方なく僕は仙台で下車 最後の10円に望みをかける
「分かった今から迎えに行く」電話の向こうから友の声
やはり持つべきものは友達だ…って何やってんだ俺!?
Oh my GOD!! Oh my GOD!!
There’s no way!! There’s no way!!
Our dangerous story of the summer days♪
本当に若かった そしてバカだった
現実にあったことなのかさえ 遠い記憶の彼方
あいつらは今頃どうしているのか
いい爺さんになって孫の面倒でも見ているのか
だけど 僕は忘れない
あの夏の日の青春グラフィティ
ちょっとほろ苦いグラフィティ
Oh my GOD!! Oh my GOD!!
There’s no way!! There’s no way!!
Our dangerous story of the summer days♪ |