その86
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  母のたからもの (詩:葉羽)

 子供の頃
 僕はおばあちゃん子であったし
 母をそれほど好きではなかった

 毎日夜遅くまで仕事していて
 あまり家に居なかったし
 料理もほとんどしなかったしね…

 時は流れ 
 母は帰らぬ人となり

 遺品を整理していると
 大切にしまわれた箱がでてきた

 日記と一緒に入っていたのは
 何枚かの紙きれ
 それには 僕の字が書いてあった

 いちまい
 いっかいゆうこう
 かたたたきけん

 母はこんなものを
 たからもののように…

 思わず僕は泣いていた

Poem by 葉羽
 MP3 by TAM Music Factory “面影”
  Photo by 大和伸一“ウーロゴンの海辺”
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