その62
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  片腕の乙女 (詩:葉羽)

 荘厳な氷河
 沈まぬ太陽
  ここはフィンランド
  ラグナロクの大地

 極地のレインディア
 静謐な時の流れ
  世界樹の恵みと
  片腕の乙女の大地

 極北に生きる人々の営みを
 形にしたいと 思ったけれど

 いいえ違う・・・
 私はきっと 本当の自分を
 取り戻すために ここへ来た

 もしも いつの日か
 心が乾いたならば
 再びこの地を訪れて

 天空のオーロラに
 この命が生かされている
 意味を問いましょう

Poem by 葉羽
 MP3 by WindSphere“yggdrasil/midgard version”
  Photo “世界樹の夢”
   Site Arranged by Habane

 

 

 

※片腕の乙女・・・その形からフィンランドは“片腕の乙女の国”と呼ばれる
※ラグナロク・・・神々の黄昏
※レインディア・・・極地に棲むトナカイ

 フィンランドを含む北欧は「北欧神話」の舞台。この神話が他の地域のそれと決定的に異なるのは、最後に大地を守るトールやオーディンなどの神々がミッドガルト蛇など邪悪な存在との戦いの末に死滅してしまうことです。(神々の黄昏の章)

 地上の人間達は戦いの巻き添えになり、未曾有の洪水に呑まれ、劫火に焼かれて死んでしまいます。

 ところが、世界にあまねく枝葉を伸ばして恵みをもたらしていた世界樹(イグロラシル:BGMのテーマ)の幹に隠れて難を逃れた一組の男女が再び新しい世界を創って行くのです。

 まるでラグナロクのような惨禍をもたらした今回の東北関東大震災・・・そんな絶望的な状況の中でもきっと未来の希望はある。僕はそう信じています。

 震災で肉親を奪われ故郷を奪われた皆様、心よりお見舞いを申し上げます。

  (葉羽)

 


 

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