きっと貴方ですね　（詩：葉羽）

　今朝見た新聞の片隅に
　小さな記事が載っていた
　施設の子供たちが
　家庭の廃油を回収して
　燃料にするのだという

　きっと貴方ですね・・・僕には分かる
　現役時代に　舌鋒鋭く
　役人を震え上がらせていた貴方
　けれど　僕だけは知っているのだ
　貴方の優しさと強さ

　貴方が障害のある
　子供たちのために
　私財さえ投げ売って
　どれだけ心血を注いで来たのかを

　人前では　そんなことを
　おくびにも出さなかったけれど
　病を得て　後進に道を譲ろうと決意した夜に
　優しい眼で　僕に語ってくれた

　障害を持つ子供たちにこそ
　地域に貢献できる歓びを
　教えてあげなければならないと・・

　磐越物語号は　今年も白煙をなたびかせ
　子供たちの夢を運び始めました
　貴方もきっと　あの列車のように
　最後の人生をかけて
　地域の子供たちの
　夢を紡いでいくのでしょう

　頑張って下さいね
　そしてお身体を大切に・・
　貴方が教えてくれた
　男のほんとうの優しさを
　僕は決して忘れない・・・