その197
目次へ前へ次へ

 

  聖夜に思う (詩:葉羽)

 聖夜に思う
 大震災の心労で
 亡くなった母のことを

 寝たきりの父は
 倒れたまま冷たくなっていた
 母のことを
 遠く離れた僕に
 電話するのが精一杯だった

 若い頃 美しいと評判だった
 母の写真は震災の混乱で散逸して
 遺影を残すのが精一杯だった

 何でもっと力になって
 やれなかったのだろう・・
 何でもっと母と過ごす時間を
 作れなかったのだろう・・

 今思えば
 母の置かれた状況も
 その苦しさも身につまされるのに
 何かできなかったのかと後悔ばかり

「だいじょうぶだよ
 お母さんは貴方が誇りだったのよ」
「貴方が幸せになることしか
 考えていなかったと思うよ」

 妻の優しい言葉に
 救われた今年の聖夜・・

Poem by 葉羽
 MP3 by音楽の卵 “白い静寂”
  Site Aranged by Habane
   Photo by 旅美「聖夜」

PAGE TOP


 

banner
Copyright(C) Habane. All Rights Reserved.