その105
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  バラナシの市場 (詩:葉羽)

 どこか懐かしい気もする ガンガーの夜明け
 バラナシは 生と死を肌で感じられる街

 沐浴を始める人々 少しずつ広がって行く喧噪
 修行僧はたじろぎもせず 瞑目している

 この地の友人と落ち合い 街へ買い物に出かける
 最初にやって来たのは フィッシュ・マーケット

 店の裏手では 魚のセリの真っ最中
 天秤のドデカい錘の分だけ
 選び上げる真剣なまなざし

 ピチャピチャと
 甕の中でうごめく 正体不明のヤカラ
 ナンジャコリャと聞いても 返事が×☆♪*・・

 名前が分かるのは鯉と鰻くらい
 鯰系も多いような…

 ここでナマは考えられない
 みんなカレー煮か揚げ物に

 友人宅で馳走になった
 鰻のカレーはと言えば コレが絶品
 日本では 考えられない組み合わせに思わず舌鼓

 釣り下げられた 痩せっぽちのバクラー(雄ヤギ)
 メスならばバクリーとなる
 この国で肥え太っているのは神の使いの牛さんくらい

 赤シャツの友人が 馴染みの八百屋に声をかける
 数ある八百屋の中でも
 ここの野菜だけは安心だという

 八百屋のオヤジに
 お茶でも飲んでけと誘われてチャイを一服

 街がキレイになったなと問えば
 今年二月に仏蘭西の首相が来たせいだと言う

Poem by 葉羽
 MP3 by 音楽の卵 “ふわふわの素”
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   Photo by 大和伸一"バラナシの市場”より

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