バラナシの市場 (詩:葉羽)
どこか懐かしい気もする ガンガーの夜明け
バラナシは 生と死を肌で感じられる街
沐浴を始める人々 少しずつ広がって行く喧噪
修行僧はたじろぎもせず 瞑目している
この地の友人と落ち合い 街へ買い物に出かける
最初にやって来たのは フィッシュ・マーケット
店の裏手では 魚のセリの真っ最中
天秤のドデカい錘の分だけ
選び上げる真剣なまなざし
ピチャピチャと
甕の中でうごめく 正体不明のヤカラ
ナンジャコリャと聞いても 返事が×☆♪*・・
名前が分かるのは鯉と鰻くらい
鯰系も多いような…
ここでナマは考えられない
みんなカレー煮か揚げ物に
友人宅で馳走になった
鰻のカレーはと言えば コレが絶品
日本では 考えられない組み合わせに思わず舌鼓
釣り下げられた 痩せっぽちのバクラー(雄ヤギ)
メスならばバクリーとなる
この国で肥え太っているのは神の使いの牛さんくらい
赤シャツの友人が 馴染みの八百屋に声をかける
数ある八百屋の中でも
ここの野菜だけは安心だという
八百屋のオヤジに
お茶でも飲んでけと誘われてチャイを一服
街がキレイになったなと問えば
今年二月に仏蘭西の首相が来たせいだと言う |