こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
最後の迷路を攻略せよ!
前回に引き続き、2018年上半期の鑑賞作品について簡単にご紹介するシリーズ。
今回のご紹介作品は「メイズ・ランナー/最後の迷宮」でございます。
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メイズ・ランナー/最期の迷宮
(C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved. Not for sale or duplication.
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記憶を消された少年たちが迷宮に囲まれたエリアに拉致され、そこから脱出を図っていく「メイズ・ランナー」三部作の完結編。
では早速参りましょう。
◆『メイズ・ランナー/最期の迷宮』
福島フォーラム:6月15日(金)鑑賞
もう一つのキャッチコピーがこちら。
大ヒットSFサバイバル・アクション、遂に完結!
しかし・・・
このキャッチコピーのように、自分で「大ヒットSFサバイバル・アクション」とか言っちゃいますか? この時点で既にB級感満載なのですけれど(笑)
映画の原作はジェームズ・ダシュナーが2009年に発表したSFスリラー小説の「 The Maze Runner」。
THE MAZE RUNNER
その後、続編と続・続編が刊行され、それらが第2作「メイズ・ランナー/砂漠の迷宮」、完結編「メイズ・ランナー/最後の迷宮」として映画化されました。
ただし、実際はその後、第4作「The Kill Order」と第5作「The Fever Code」も刊行されています。
これらは、第1作の前日譚となっており、いずれにしても完結編は第3作「砂漠の迷宮」なのですが。
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メイズ・ランナー/最期の迷宮
(C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved. Not for sale or duplication.
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第1作「メイズ・ランナー」は、巨大な壁の迷宮に囲まれた土地に記憶を失った少年たち(やがて女性も加わる)が送り込まれ、その中で3年の月日を暮らすうち、やがてリーダー格の少年に導かれて、迷宮からの脱出を試みる物語です。
彼らは、犠牲を伴いながらも迷宮からの脱出に成功し、その最後の部屋に残された映像記録から、何らかの実験目的で計画されたことを知ることになります。
メイズ・ランナー
第2作「メイズ・ランナー/砂漠の迷宮」では、脱出したメンバーが彼らを送り込んだ謎の組織「WCKD(世界災害対策本部)」に再度捉えられ、無数に存在した他のメイズ(迷宮)からの生還者とともに、さらなる「砂漠の迷宮」の試練に立ち向かうというストーリー。
主人公たちのチームは、砂漠からの脱出に成功し、WCKDに抵抗するレジスタンス組織「ライト・アーム」との合流を目指します。
その過程で、急激に変動した太陽放射線の影響で地球や生物が壊滅的な厄災を被った事、発生したフレア・ウィルスによって人間の怪物化が始まった事、メイズに送り込まれた少年たちの中にはフレア・ウィルスに免疫を持ったメンバーがいるらしい事、WCKDのメイズ実験は、そうした少年たちを選別し、その血液からワクチンを製造するのが目的であったこと…を知ります。
メイズ・ランナー2
しかし… ライト・アームとの合流も束の間、スパイによってアジトはWCKDの部隊に急襲され、多くの仲間を失うとともに主人公チームのミンホが拉致されてしまいます。
そして今回の「メイズ・ランナー/最後の迷宮」は、仲間のミンホを奪回するため、WCKDの本拠地に乗り込んでの闘いが描かれます。
メイズ・ランナー3
はてさて、キャッチコピーにある「大ヒットSFサバイバル・アクション」という大袈裟な表現は事実なのか?
第1作の公開初週末の興行収入は3,251万ドル、第2作が3,031万ドル、今回の第3作は2,416万ドルと、そこそこの成績は残しているもののジリ貧傾向。
第1作では、巨大迷宮に囚われた少年たちの脱出劇が手に汗握る展開で、どうしてこのような世界が出来上がったのかという謎が観客を惹きつけましたが、「砂漠の迷宮」は既に「迷宮」の話ではないし、「最後の迷宮」に至っては「迷宮」自体が登場しないというお粗末。(あらららら・・)
映画批評集積サイトのRotten Tomatoesにおける支持率は45%と低く、「『メイズ・ランナー: 最期の迷宮』はシリーズのファンにとっては終幕となるかもしれない。しかし、そうでない人にとって、この消化不良の最終作は鑑賞しないままにするのが良い。」という辛口の(もっともな)評価も。う~むぅ。
メイズ・ランナー3
今回は「完結編」ということで、嫌がるケイコの手を引いて無理やり観に行ったのですが、カタルシスも無く、まさに消化不良の作品でした。
そもそも、フレア・ウィルスのワクチンを作るために、巨大迷宮をたくさん作ってサバイバルをやらせる…って、荒唐無稽でしょ?
普通なら、発症しない者について臨床研究して抗体を見つける…ってなりませんか? ストーリー設定がいかにも無理筋ではなかったか、と思います。
「最後の迷宮」って無かったし(笑)
/// end of the “cinemaアラカルト204「メイズ・ランナー」”///
(追伸)
岸波
また、1作目のインパクトは凄かったので、その後の展開に大きな期待を持ったのですが、2作目から一気に「迷宮要素」が(ほとんど)無くなったにも関わらず、相変わらず「迷宮」を売りにするプロモーションに疑問を感じます。
(一作完結でよかったのではないか?)
それと「最後の迷宮」のラスト近くで、主人公トーマスのチームの主要なメンバー、ニュートとヒロインのテレサが相次いで犠牲になるのですが、「殺しすぎ」です。
このあたり、無理やり「お涙シーン」を追加したような感じがしまして、いかにも安易な方法ではなかったかと。
でもまあ、公式サイトを見ると、シリーズ累計の興行収入が1000億円超えとあるので、それなりのヒット作と言えるのでしょう。
ただ、記憶に残るかと言えばそれは別問題。
シリーズものというのは、なかなか難しいものですね。
では、次回の“cinemaアラカルト”で・・・See you again !
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ラプラスの魔女(※次回紹介!)
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