お袋の三回忌にタケヒコオーナーが参りまして…。
「こないだ富士山に行ってきたよ。」
「ええ~いつの間に!?」
「バスツァーなんだけどね。」
「五合目くらいまで行けるんだっけ?」
「いや、登山はしてない。バスから眺めたの。」
「見ただけ!? …で、どうだった?」
「ガイドさんが『このへんに富士山があるんです』って。」
「何だそれ?」(いったいどこから見たのやら…?)
「霧がかかって全然見えないの。」
料金払い戻しだろ、それ!
「あまり悔しいから、次の週にまた行った。」
「こりないやっちゃな。」
「今度は見えたよ。日頃の行いがいいから。」
(なら、一回目は何だったんだ…!)
「それだけ?」
「忍野(おしの)八海に行った。そこがメイン。」
「なるほど。で…そのオシノって何だよ?」
「有名だよね、名水の里。」
「二週間もかけて…
結局「水」見にいったんかい!
「…とも言う。」
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