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 #225 あかるい花束

by 葉羽
Photo by 能作NOUSAKU "花器"
BGM "カケラ" by TAM Music Factory
Site arranged by 葉羽

 

◆あなたと過ごした日々は小さな旅だった 空っぽの花器の美しいこと

◆乱丁のある文庫本抱きしめる 愛すよたったひとつの傷を

◆ラブソング以外の愛もあるんだよ 鳩になってもきみが分かるよ

◆ほんとうにあたしでいいの?ずぼらだし、傘もこんなにたくさんあるし

◆わたしもう、夏の合図を待っている 冬至の長い夜からずっと

◆へたくそなハンドサインを読み解くよ 来世で、きみは、枇杷に、なりたい?

◆平日の明るいうちからビール飲む ごらんよビールこれが夏だよ

◆フリージアナンキュラスを左手に、マクドナルドと鍵を右手に

◆開かない花だとしてもまっすぐな茎で私の元にきたこと

◆本当に正しかったかわからない決断たちよ おいで、雪解け

(岡本真帆歌集『水上バス浅草行き』・『あかるい花束』より)

 

 

 

葉羽 「あかるい花束」について

 現代歌人岡本真帆さんの短歌に触れて感動しました。俵万智さんの『サラダ記念日』も若い人たちに読まれているといいます。彼らにとっては「X」など短文文化の延長上にあるのでしょうか。「ひとつ読むたびにHPが回復していく。点在する陽だまりに飛び移っていくみたいな歌集」と評する人がいました。


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