◆ いい潮時に手に入った書物は、たいがい、より高い生活への呼びかけである。
◆ 悪い読書は悪い交際よりもっと危険だ。一冊の書物が、しばしば全生涯の不幸を(もちろんまた幸福をも)招き得る。
◆ 毎日例外なく、ほんの半時間でも読書をする習慣が大切だ。これを二十年も続ければ、その国の学識者の一人となるだろう。
◆ 教養は単に読むことから生まれるのではなく、読んでから、それについて考えることから生まれてくるのだ。
◆ 話すことと喋ることは大変な違いがある。フランスには次のような言葉がある・・「しょっちゅう喋っているくせに、結局何も話していない人がいる」。
◆ 全てのスピーチにおいて一番肝心なことは内面に確信があるということ。自分の信じていること、あるいは知っていることだけを口にすべきである。つまり「自分でもお腹に入らなぬようなことは口にしてはならぬ、そんなものはすぐに見破られる」ということになる。
◆ 演説家は聴衆をなめてかかってはいけない。敬意を払う必要があるからだ。聴衆を高く評価すればするほど、演説はよくなるだろう。
◆ 多くの国語を話すことは、天才のしるしでもなければ大人物のしるしでもない。最もいかがわしいのは、一つの文章の中にいろんな国語をごちゃまぜにする人。こうした人々は、その人物がいかがわしいばかりか教養もまた欠けているのだ。
(『希望と幸福 ヒルティの言葉』の「読書とスピーチについて」の章より) |