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 #179 読むことと話すこと

by 葉羽
Photo by 大和伸一「吾妻と桜」
BGM"Please Don't Go" by Blue Piano Man
Site arranged by 葉羽

 

◆ いい潮時に手に入った書物は、たいがい、より高い生活への呼びかけである。

◆ 悪い読書は悪い交際よりもっと危険だ。一冊の書物が、しばしば全生涯の不幸を(もちろんまた幸福をも)招き得る。

◆ 毎日例外なく、ほんの半時間でも読書をする習慣が大切だ。これを二十年も続ければ、その国の学識者の一人となるだろう。

◆ 教養は単に読むことから生まれるのではなく、読んでから、それについて考えることから生まれてくるのだ。

◆ 話すことと喋ることは大変な違いがある。フランスには次のような言葉がある・・「しょっちゅう喋っているくせに、結局何も話していない人がいる」。

◆ 全てのスピーチにおいて一番肝心なことは内面に確信があるということ。自分の信じていること、あるいは知っていることだけを口にすべきである。つまり「自分でもお腹に入らなぬようなことは口にしてはならぬ、そんなものはすぐに見破られる」ということになる。

◆ 演説家は聴衆をなめてかかってはいけない。敬意を払う必要があるからだ。聴衆を高く評価すればするほど、演説はよくなるだろう。

◆ 多くの国語を話すことは、天才のしるしでもなければ大人物のしるしでもない。最もいかがわしいのは、一つの文章の中にいろんな国語をごちゃまぜにする人。こうした人々は、その人物がいかがわしいばかりか教養もまた欠けているのだ。

(『希望と幸福 ヒルティの言葉』の「読書とスピーチについて」の章より)

 

 

 

葉羽 「希望と幸福」について

 本棚の隅に、いつ買ったか分からないほど古びた文庫本がありました‥ヒルティの『希望と幸福』。開いてみると、ところどころに自分で引いた傍線が。中学の時に小遣いをはたいて西澤本屋で買った記憶がまざまざと蘇りました。何故、こんな本を買ったのか思い出せませんが、傍線を引かれた文章はその後の自分の大切なものを培った気がします。


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