◆皆さま、お越しくださいました中高年の皆さま、頑張っていただきたいのです。どんな不細工な人でも、生きる権利があるのです。ただ・・
生きる資格が無いのです。
◆振り返れば亭主に会ったあの若いころ、女房に会ったあの若いころ、女房の顔を見るだけで心がときめいていた時代がありました。あれから四十年!いま・・
女房の顔を見るたんびに不整脈です。
◆私にはなにが残っているのかしら。なんとか、いい方法ないかしら。そうだ、ひとりしかいない亭主に多額の生命保険をかけ、かけたその日から塩分を与えれば、必ず幸せがやってくる。奥様・・
笑わずに実行することです。
◆妻「わたし、美容院に行ってくるわ」
夫「ずいぶん回数が多いんじゃないのか。何のためにそんなに行くんだ?」
妻「もちろん、キレイになるためでしょ!」
夫「じゃあどうしてキレイにならないんだ!」
◆私の母はたいへん厳しい人でした。子育ては下手くそでしたけれども、小づくりのうまい方でした。若いころ。よく私にいいつけておりました。「ウィリアム、弟のヘンリーもいらっしゃい。(中略)ウィリアム、どんな仕事をしてもいいから、人からゲラゲラ笑われるような仕事だけはやめておくれ」・・きれいな母でした。
私は母に似たのです。
◆出会ったころの女房は、食べたくなるほどかわいかった。あれから四十年!
あのとき、食べておけばよかった。
◆(代役を頼まれて)それで、私が司会をやったら、私の方がうまかったんですよ。私はずっとその人の喋りをきいているわけです。そして、すべて真似できたんです。真似だけじゃなくて自分の話術も加えたわけですから、いつも同じ司会の話を聞いているお店の人たちに新鮮に聞こえるのは当たり前です。これが私の芸人デビューです。自慢できるどころか恥かしい話なんですけど。
(綾小路きみまろ『有効期限の過ぎた亭主・賞味期限の切れた女房』より) |