◆『反対論にこそ真理あり』
31歳の時、後にシーメンスの副社長になるマイヤー博士と、無装荷ケーブルの理論について激論を交わした。二人は最後まで持論を譲らず、いまにも殴りかからんばかりの激しいものだった。後年、私は自論を実践して決着を付けたが、討論の時、マイヤー博士が出してくれた反対材料が大変役に立ったのだ。意見の対立する時、反対論の中には多くの真理がある。そして我々の間には生涯の友情が生まれた。(東海大学総長 松前重義)
◆英国の政治家ディズレーリは『逆境に勝る教育なし』といったが、私の好きなことばである。人間誰しも逆境を好むものはいない、と思うが、必ず追いやられるものではないだろうか。そして、そのときに、自分自身を鍛えられるかどうかが、生きられるかどうかの分かれ目であろう。(アナウンサー、参議院議員 宮田輝)
◆『一期一会』は江戸時代の茶人・山上宗ニが言った言葉で、茶室において主人と客はこの心境に立って、お互いに一生で一度の出会いのつもりで接するということである。どんな場合においても、もう後がないんだと思うとき、そこに、本当にまごころをつくし合い、心を割って楽しみ合うという生き方が生まれてこよう。(作家 阿刀田高)
◆常に目を澄ませ、自分の納得した事以外はしゃべらない、というのが私の信条である。真実以外を語らないという人もいるが、果たして一体何が真実であるかは分からない。結局、私は自分が自分で納得した事以外はしゃべれないのである。(衆議院議員 飛鳥田一雄)
◆『何事もわが子を育てる気持ちで』というのが私の口癖である。私には子供がいないが、それだけに会社や社員、そして仕事が自分の子供のように思えてくる。日本ハムファイターズでもチームが強くなり勝つのが最上だが、アメリカでは最弱のメッツが観客動員で最上位を占めた例がある。理由は何か。野球は迫真のゲームであり見る者を楽しませ納得させなければ嘘だ。球場自体も楽しくし、本業の商品と同じく”手を抜いた経営”では誰も相手にしてくれない。(日本ハム株式会社社長 大社義規) |