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 #172 反対論にこそ真理あり

by 葉羽
Backwall: 大和伸一「冬木立」
BGM"Please Don't Go" by Blue Piano Man
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◆『反対論にこそ真理あり』  31歳の時、後にシーメンスの副社長になるマイヤー博士と、無装荷ケーブルの理論について激論を交わした。二人は最後まで持論を譲らず、いまにも殴りかからんばかりの激しいものだった。後年、私は自論を実践して決着を付けたが、討論の時、マイヤー博士が出してくれた反対材料が大変役に立ったのだ。意見の対立する時、反対論の中には多くの真理がある。そして我々の間には生涯の友情が生まれた。(東海大学総長 松前重義)

◆英国の政治家ディズレーリは『逆境に勝る教育なし』といったが、私の好きなことばである。人間誰しも逆境を好むものはいない、と思うが、必ず追いやられるものではないだろうか。そして、そのときに、自分自身を鍛えられるかどうかが、生きられるかどうかの分かれ目であろう。(アナウンサー、参議院議員 宮田輝)

◆『一期一会』は江戸時代の茶人・山上宗ニが言った言葉で、茶室において主人と客はこの心境に立って、お互いに一生で一度の出会いのつもりで接するということである。どんな場合においても、もう後がないんだと思うとき、そこに、本当にまごころをつくし合い、心を割って楽しみ合うという生き方が生まれてこよう。(作家 阿刀田高)

◆常に目を澄ませ、自分の納得した事以外はしゃべらない、というのが私の信条である。真実以外を語らないという人もいるが、果たして一体何が真実であるかは分からない。結局、私は自分が自分で納得した事以外はしゃべれないのである。(衆議院議員 飛鳥田一雄)

◆『何事もわが子を育てる気持ちで』というのが私の口癖である。私には子供がいないが、それだけに会社や社員、そして仕事が自分の子供のように思えてくる。日本ハムファイターズでもチームが強くなり勝つのが最上だが、アメリカでは最弱のメッツが観客動員で最上位を占めた例がある。理由は何か。野球は迫真のゲームであり見る者を楽しませ納得させなければ嘘だ。球場自体も楽しくし、本業の商品と同じく”手を抜いた経営”では誰も相手にしてくれない。(日本ハム株式会社社長 大社義規)

 

 

 

葉羽 「私の好きな言葉」について

 最近、ネットによくある「名言集」を見ていて思うことがある。名言とされる言葉そのものだけ羅列してあって、全く心に響いてこないのだ。そこで、自分が二十代の頃に買った『私の好きな言葉』という本を読み直してみた。そこでは一流の人たちが自分の好きな言葉についての想いを語っている。そう、これだ。名言と呼ばれる言葉たちも、それが誰かの人生にどんな影響を与えたか、という事を抜きにしては空疎なものでしかないと思う。今回は、そうした中から五つほど。


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