誕生日 作:塔 和子
どんなところに隠れていようとも どんなに無視しようとしても 年に一回は必ずやってくるそいつ
そいつは粘土細工の泥をちょっとひねるように 私の顔にしわや歪みをつけ
今年はこのくらいの所でおくか?? と言って しわの中に入ってしまう。
私は鏡を見る度に そいつがやってきて真面目にやった いたずらを嘆くが
そいつは今まで生きてきたことを おまえが思い出してくれればとおもってな~~と ひどくなれなれしく私を見る
あんたなんかこなくていいよと あらゆる悪態をつくが そいつは何時も知らん顔で 全く私の気持ちを無視したまま もう・・ 60回も来ているのだ