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その240

マインド ザ ギャップ2

 前号のハイドパークの写真の遠景はハイドパークの西側の地区で「メイフェア」というロンドンの高級住宅街の一つだ。

 日本の大使館もこの地区にあり、今は移転したがアメリカ大使館もあった。

 高級ホテルも多くあり、日本人学校に勤務していた頃、メイフェアの高級ホテルでPTAの役員とお茶会(アフタヌーン・ティー)をしたことがあった。

 アフタヌーン・ティーは日本の茶道のように作法があるらしく、飲み方食べ方にも順序があるらしい。

 英国通の有閑マダム(PTA役員)のまねをしながらのティー・パーティ−だったが、私にとってはアタフタしながらのアタフタヌーン・ティーで、何が出てどんな味だったか覚えていない。

 コーヒーがぶがぶ、お菓子ムシャムシャが私の普段のおやつタイムで、そういう食べ方が美味しいし私には合う。

 私達が泊まったホテルは、ハイドパークの北側で普通のホテルだが、なんと部屋に冷蔵庫がないではないか。

 ホテルのレストランは高そうなのでコンビニで飲み物や食料を買い、ホテルライフもエコノミーにと考えていたができなくなった。

 冷蔵庫はなくても近くにコンビニがあれば、何とかなるとも思ったが、そのコンビニが近くにない。

 近くにパブがあるのだが、パブはデカい外人がビールを飲みながら、たむろしているので落ち着いて食事ができない。ツーカこちらでは、こっちが外人か。

 初日の晩は、BAの機内で貰った缶ビールと羽田空港で買ったカップ焼きそばですませた。

 ホテルのバスルームの便座は冷たいしウォッシレットもない。

 やっぱ「マインド ザ ギャップ」だな。

 機内で貰った缶ビールを飲まずにいた訳は、ビールを飲むとトイレが近くなるからだ。最近は歳のせいか頻尿でトイレが近い。

 BA(ブリティッシュ・エアウェイズ)を選んだ訳はJALやANAより料金が安かったからだが、BAは英国に帰るデカい外人が多く乗っていて満席だった。

 隣の席には英国人らしい中年の太ったおばさんがデーンと座っている。

 席を離れてトイレに行くたびに「エクスキューズ・ミー」と言って、席を立ってもらわなければならない。

 しかも、そのオバサンの前の席のデカい黒人のオニーサンは、席をめいっぱい後ろに倒していて、前との隙間が狭くなっており通路に出るのも大変だった。

「混んでいるのだから席を後ろに倒すんじゃねーよ」とそのオニーサンに言いたかったが、そんな英語力は私にはない。

 隣のオバサンは旅慣れているらしく、機内食だけでなく無料サービスのビールやワインを何度も注文しグビグビ飲んでいた。

 飲むだけならいいのだが、その後はグーグーと寝てしまう。「エクスキューズ・ミー」と言ってもなかなか起きない。

 隣の座席に座る人は選べない。キリスト教の「汝の隣人を愛せよ」は真理だが、隣人愛って我慢する事なのか。

 飛行機の座席には料金が超高いファーストクラスもあるのだが、隣のオバサンは体が「ファットクラス」なんちゃって。

 帰りはJALで、通路側の隣の席は小柄な日本人女性だったので、トイレへの出入りも楽だった。やっぱ、飛行機はJALかANAだな。

 飛行機の座席はファーストクラスの他に、ビジネスクラスやプレミアムエコノミー席もあって階級社会だ。

 新幹線も最近はグリーン車に加えてグランクラスという車両があり、車内放送で「普通乗車券でのグランクラス、グリーン車への立ち入りはご遠慮ください」と車掌が放送するが、所得による階級社会が進行している今の日本だ。

 相撲界も横綱、大関、関脇、小結、前頭と階級があり、ギャップ社会だが「ギャップリよつ」という相撲用語がありませんから。

 郷土力士の活躍に一喜一憂している古希マジカのボクです。

 (2024.3.16)アンブレラあつし

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