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その7

愛 夢 命

 「夢」を書く。どんどん書きつづける。

 何を書いているのかと聞かれる。夢を書いていると答える。

 読めないと言われる。逆さに書いていると答える。

 なぜ書いているのかと聞かれる。

 消えるから書いていると答える。

 かわいそうな人にむける同情のまなざしで何人かはそっと立ち去る。

 見続ける人もいる。夢、愛、命と 並べて書く。

 「夢、愛、命それぞれ人生にとって大事なものですが優先順位をつけるなら、どうなりますか」と聞く。

 さらに正しい優先順位の答えはあると付け加える。

 多くの人が命をはじめにあげる。「ピンポーン」と軽薄に反応する。

 次に夢と愛で迷う。まよった末に愛と答える人が多い。

 「ブー」とまた軽薄に反 応する。愛より夢が大事と言う。

 理由は・・・ここでやや間をおく。

 すぐに理由 を言わないのは自分の頭で考える時間を確保するためだ。

 教師を長らくやっていた悪いくせが出てしまう。

 夢を無くして自殺する人は多いが愛を無くして自殺す る人は少ない。

 そもそも愛を無くして自ら命を絶つような弱い人は生きる資格がない。

 愛なぞ金でも買えると大暴言をはく。

 人生のベテランは微笑んで頷くが、 若い子の中には表情が変わりなみだ目になる子もいる。

 このまま家に帰してお父さんお母さんに大暴言を報告されても困る。

 かわいい日記帳に上野であったことと記録されても困る。

 すかさず意見には個人差があり、これはあくまで私個人の意見ですとホローする。

 さらに夢は生きる希望であり、愛はあった方がよいが、 愛がなくても生きていくたくましさが必要と教師らしい事を言う。

 ことばは大事である。失言は人を傷つける。

 失言といえば尾瀬しつげん、釧路しつげん、上野の忍ばずの池も、もともとはしつげんだった。

 一度出たことばは取り消すことができない。

 これを「しつげん不可能」というのか。

 風よもっと吹いて言葉の妄想 を吹き飛ばしてくれ。

 太陽よもっと照らして地上の落書きを消してくれ。

 賢治の詩のように素朴に生きたいと思えども浮かぶ言葉は修司の以下、上野は夢のはじまり夢の終わり。

 (2015.7.17)アンブレラあつし

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