先日読んだ浅田次郎のエッセイ「絶対幸福主義」(徳間文庫)に次のような記述がありました。
「・・・昔と違って、今はファックスという便利な機械があるので、どこからでも原稿を送ることができます・・・」。
「絶対幸福主義」浅田次郎
私が好んで読んでいる3人の作家、五木寛之、井上ひさし、渡辺淳一の共通点は3人とも乃木希典絡みの作品があることですが(雑感 48)、さらには手書き作家ということもあります。浅田次郎も手書き派です。
会社に入った頃(1977(昭和52)年)の通信手段と言えば、電話と郵送でした。
こちらは福島市「エールポスト」
研究所と工場間では技術的なやり取りも結構ありますが、電話では伝えきれない部分もあり、書面を郵送です。先方に届くのは2日後くらいです。
それが1980年頃だったでしょうか、ファクシミリが導入され、書面を瞬時に送れるとは画期的と感心したものです。
1990年代中頃は本社勤務で、海外の会社との取引きもありましたが、電話で話した後は必ずその内容をファクシミリで送り合ったものです。
ファクシミリ
それが1990年代終わりの頃からPCが1人1台の時代となり、E-メールという強力な通信手段が加味されました。
ワードもエクセルも写真も、手書きメモもPDF化して送れ、通信時間は大幅に短縮されました。
ファクシミリは読んでほしい人の名前を全て書いておいても最初に受取った人が回覧を失念したり、ならばと読んでほしい人にそれぞれ送ったりしましたが、E-メールなら確実に全員に送ることができ、利便性も格段に進歩しました。
E-メール
最近もらった名刺を見ると、ほとんどファクシミリ番号も書いてあります。前時代の名残でしょうか。私はもう10年以上使っていません。
ツーさん【2022.11.28掲載】
葉羽 「通信」は本当に便利になったし、Web自体が素晴らしい発明だった。名刺のファックス番号はそろそろいらないかな。イギリスでは2020年にファックス取扱いを全面廃止したしね。