在職中に6年間工場長を務めた長野県の上田工場は、医薬品そして健康食品を製造しています。
医薬品はGMP(Good Manufacturing Practice:医薬品の製造管理および品質管理の基準)に従って製造しなければなりません。健康食品もGMPに準拠して製造しています。
GMPの三原則のトップは「人為的な誤りを最小限にすること」です。どんなに注意していても人為的な誤りは起こり得ますので、「ゼロ」でなはく「最小限」です。
Good Manufacturing Practice
また同様に「ゼロ災でいこう!」と口を酸っぱくして言っていても、労働災害はなかなかゼロにはなりません。ゼロ災だったのは6年間で1年だけでした。
製造や品質のトラブル、あるいは労働災害が起きるたびに工場長として言いました。
「今回のトラブル(or 災害)の原因をきちんと究明し、対策を立て、さらに水平展開を行い、「雨降って地固まる」としていただきたい」。
他社での品質トラブル事例がありますと「「対岸の火事」として眺めることなく「他山の石」として自分の足元を見直していただきたい」。
他山の石
ところで政府のお偉いさんの答弁でしばしば以下のようなことを聞きます。
程度のほどは分かりませんが「真摯に受け止め」「緊張感を持って」「注視して」、スケジュールは示されないものの「スピード感を持って」、どう連携するかは分からないものの「連携を密にして」。
政府答弁
「今回の事態を真摯に受け止め、今後の推移につき緊張感を持って注視し、連携を密にしてスピード感を持って対応したい」。
私でも3日くらい大臣が務まるのではと思ってしまいます。
ツーさん【2021.9.6掲載】
葉羽 僕も議会答弁は死ぬほど書いたけど、そういう空虚な言葉は極力使わなかったな。ま、「正直すぎる」というお叱りを受けたことは度々あったけど(笑)