世間一般から見ますと本は読んでいる方だと思いますが、役職が付いた頃から小説やエッセイを読むことを封印していた嫌いがあります。
3年前の7月に突発性難聴で12日間ほど入院しまして、左耳が聞こえない以外は何でもありませんでしたので、時間があったら読もうと思っていた村上春樹の「1Q84」を読みました。
その流れで新潮文庫から出ている村上春樹の作品は全て読みましたが、昔から読んでいた渡辺淳一、井上ひさし、五木寛之の作品なども並行して読んでいました。
どうせ読むなら好きな作家の作品は全て読んでみるかと、渡辺淳一の刊行されている作品は一昨年読み終えました。昨年から井上ひさしと五木寛之に挑戦しています。
1人の作家の全作品を読むことで感じたのは、知り得なかったであろうことを知り、知識の幅が広がるということです。
五木寛之の「青春の門」は20代の頃に第6部まで読んでいましたので、最近第7部、第8部が刊行されたことを知れば、全作品を読むことは関係なく読んでいたことでしょう。
一方、五木寛之は仏教のことや知られざる日本史のことも書いていますが、決して私の好きな分野ではなく、全作品を読もうと決意しなければ読まなかったと思います。
それらも読むことにより、「サンカ」や「家船(えぶね)」といった日本史の裏面があることを知りました(「サンカの民と被差別の世界」ちくま文庫)。
好きでもないお寺に妙に詳しくもなりました(「百寺巡礼」講談社文庫)。
ツーさん【2017.10.12掲載】
葉羽 『青春の門』は昔、映画で観たなぁ。最近、文字の本はミステリかノンフィクションばかり。それも目がショボショボになったりして…やはり映画かな(笑)