先日読んだ短編集「1日10分のときめき」(双葉文庫)の1編、森浩美著「父の背中で見た花火」にこんなくだりが。
「・・・ビートルズなど当時の若者の心を揺さぶる音楽も流行(はや)っていた。・・・当時はギターを弾くだけで不良と呼ばれるような、今から思えば信じられない時代だった・・・」。
「1日10分のときめき」
これを読んで思い出しました。 中学1年(1967年)の1学期の期末試験の成績が良かったので、父がご褒美に何かを買ってくれることになりました。
当時はGS(グループサウンズ)全盛時、私はブルーコメッツのファンで(雑感 142)、井上忠夫(のち井上大輔)が弾いていたフルートがいいかなと思いました。
ジャッキー吉川とブルーコメッツ
まあ、GSが弾いていた楽器の中では一番安そう、というのもあったのでしょうね。
父と楽器屋に行くと店員さんも「お子さんは下唇が厚いので、フルート上達しますよ」と後押ししてくれました。
が、安いものでも2万円くらいと予算オーバーで、父に「こっちの方がいいんじゃないか」と口説かれて6千円のクラシックギターを買ってもらいました。
クラシックギター
ところで、その何年か後には2歳下の弟がフルートを買ってもらったのですね。父の収入も上がったのでしょうか。
ギターで奏でるのは「禁じられた遊び」や「月光」などで、不良とは無縁でした。不良っぽかったのはエレキギターだったのでしょうね。
エレキギターを持った友人はいませんでしたから、仲間に不良はいなかったということでしょうか。
中1夏休みの宿題「家庭新聞」から(筆者提供)
高校に入ってからは自分でフォークギターを買い、その伴奏で歌っていました。
思うに、フルートに走っていたら伴奏しながら歌うことは無理で、ギターの選択は間違っていなかったのかもしれませんね。
ツーさん【2024.4.15掲載】
葉羽 ずっとクラッシックを弾いてないんだけど、その理由は「爪」だね。演奏用に右手の爪を伸ばすとPCのキーボードが打ちにくくなる。で、「岸波通信」の方をチョイスしてしまったというワケだ(笑)