ある日、東京に住む僕のところにE美チャンから連絡が入った。
彼女のお姉さま夫婦が東京に御住まいだったので、東京へやって来るというのだ。
僕は精一杯の背伸びをして、ブルガリア料理・・・子牛のナントカと赤ワインを、銘柄は「トラキア」を・・・。
だが、彼女と行動を共にして、僕は気付いたのだった。
どうしよう? この娘、スゲェ“御嬢”!?
うんにゃ、負けてなるものか!
田舎のおらが村じゃぁ、僕だってちょとした“坊”だもの!!!
義理のお兄様が、目黒で貸スタジオを営んでいるということなので、そこまで送っていくことにした。
するとそのスタジオには、竜童やドクトル梅津(良くRCサクセションのバックでサックスを吹いている叔父様)がいた!
眩しい、眩しすぎるぅ~っ!
僕は圧倒された。
田舎者という言葉に唇噛み締めて・・・小さなヤクザにもなれやしないまま朝の光から締め出されて生きていた僕である。
“身分違い”・・・そんな言葉さえ脳裏をかすめた。
E美チャンへの想いは少しも変わらなかったが、田舎者の足は震えて前に進めない・・・口惜しかった。
笑顔を無理やり作って彼女に別れを告げ、逃げるように雑踏の中へ。
「またね」・・・たった一言が言えなかった自分を責め続けた。
これまでか・・・
僕は泣くことさえできずに、人ごみの中を歩き続けた。
それから何年か過ぎ去ってしまったが、手紙の習慣だけは続いていた。
E美チャンは、故郷の広島に帰っていた。
僕は就職して、マトモに暮らし初めていた。
僕は毎年の暮れには、八ヶ岳の山小屋の納めのX'mas-Partyに出席するのが習慣になっていた。
すると、ある日突然!!
あれから4年もたった冬のPartyに突然、E美チャンが来るというのだ。
???????????????
取りあえず、僕は空を飛んで見た・・・
その年に限ってS一は汽車で行くというので、僕は、東京駅迄車を飛ばし、彼女と再会を果たしてそのまま長野へと向った。
二人きりのドライブ・・・
その時間の記憶が無い、舞い上がっていた・・・
彼女が傍に居る事がただ、ただ嬉しかった!
山小屋に到着すると、S一が待っていた。
「どうしたんだろうな、突然、やって来たりしてさ?」
「オマエに会いに来たに決まってるだろぉが、バァカ!!!」とS一が言う。
エッ、ウソ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
Partyは盛り上がり、僕は酔い潰れてしまった。
何時の間にか、寝てしまったらしい。
ふと目を覚ますと、彼女が隣で寝ている。
「あ~なんだぁ夢かぁ!」
夢なんだからなんでもいいやぁ~ KISSしちゃえぇ~
「お砂チャン、お酒臭い!」
蹴りを入れられてしまいました。
なんて、プラトニックで素敵な関係なんだ!
朝、気付いてみると、大混雑の小屋の中、一部屋に二人きりで寝ていた。
(皆に謀られたぁ~)
こうして、僕等は恋人同士になった。
上を向いたらキリがない 下を向いたらアトがない
泣いてたまるかっ! 夢がある
(by 朱雀RS 2012.6.9 リニューアル・アップ)
このままハッピーエンドとなるのか?結末は「後編」で! |