【死に至る病】（少し長いです） 場所は伏せようかと迷いましたが、リアルな方が良いと思いまして書きます。 東北本線に杉田駅と言う駅があります。 どこだかわからない方がほとんどですよね。 そういう駅です。むろん無人駅です。 そこからほど近い旧街道沿いに「昔は商店街だったのかな？」という残骸の街並みがあります。 車は通るが人は通らない。絵にかいたようなシャッター通り。

そこで昨年、奇跡が起きました。 旧い店舗を工場にしてソフトクリームを作っていた会社の商品がネットで火がついて、お客さんの大行列＋クルマの大渋滞ができたんです. 元々が工場で、販売することなど考えていなかったので、もう収拾がつかなくなり、近くの住民センターの駐車場も満車で、皆さん、少し離れた金融機関の駐車場に停めて行列に並びだしたんです。 そしたら金融機関からクレームが来て、挙句の果てに駐車場の出入口をロープで塞がれてしまいました。 言っておきますが金融機関が休みの「土日」です。

バカだと思うんですよ。 地域の金融機関ならば、喜んで駐車場使ってもらえば良いじゃないですか。 地域が潤えば、自分の所に預金を積んでもらったり、工場を拡張するんならばお金を借りてもらう方に努力するのが金融機関の仕事じゃないですか。 こんなことしてたら、そのソフトクリーム会社も引っ越しますよ。 社長は「行列と渋滞で地域に御迷惑を掛けて申し訳ない。早く引っ越して迷惑を掛けないようにしたい。」と言ってます。 そうじゃないでしょ。 「いやあ、久しぶりにこの地域でお客さんの行列とか見た。皆で応援しよう。いつまでも居てもらって、地域を盛り上げよう。」じゃないですか。 そうやって行かなかったら、この地域、あと十年後に誰も住まなくなりますよ。 そしたら、その金融機関も残れないじゃないですか。 こんな簡単な因果関係もわからない。 まったくもって「地域が死に至る」というのをリアルに拝見しました。

身内の話で恐縮ですが、街なか観光でここのところ人気の会津若松市七日町通りは、土日祝日は通りの金融機関は駐車場を観光客に開放してます。 「皆で地域を良くしよう」という気持ちがなければ、地域は残れません。

（蛇足） この度、「あだたらのちち株式会社」の取締役に就任いたしました。主な任務は「千葉社長の暴走を止めること」です。ソフトクリームは作れませんので御容赦ください。

（2023.7.11掲載）