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その50「只見川渓谷の幻想風景の巻」 | |
今回ご紹介するのは、ピカイチ君の『五感の会津感動記』から「只見川渓谷と微気象が織り成す幻想風景」です。 【只見川渓谷と微気象が織りなす幻想風景】 ~金山町中川地区~ 右下(⇒)の背景写真は川霧が消えた後で撮影したものですが、おとぎの国のような幻想的な美しい風景ですね。 川霧の発生条件は、① 水蒸気量(湿度)が十分あること、② 空気が冷却されること、 ③ 空気中に凝結核があること であり、霧にはいろいろ成因があり、以下のように分類される。 ○ 山 霧 → 山を昇る気流の断熱膨張による冷却される ○ 海 霧 → 大気が海で冷やされる ○ 盆地霧 → 地温で暖められた空気が冷却(放射冷却) ○ 都市霧 → スモッグ ○ 川 霧 → 冷たい(暖かい)空気が水温の高い(低い)川面に触れる
聞き取りによれば只見町では、6~8月、朝、雨上がりや湿度の高い日は午後、特に暑い日は夕方。 ダム下部の冷却された放流水による。ブロッケン現象。ダム建設後は霜害が発生しない→川霧によって放射冷却が生じない。 金山町より下流では、6~8月、朝、夕。夏はほぼ毎日。特に沢(支川)合流地点下流で発生。 いずれにしても川霧はダム建設により新たに生じた気象現象であり、 ○湛水による水面拡大→水分蒸発量の増 ↓ ○湛水による流速の低下→太陽熱の吸収 ↓ ○ダム下部からの冷却放流水温→温度差による発生 ~であり、地域のメリットとしては:霜害の防止・・・、デメリットとしては視界不良等々考えられる。 しかしながら、わたしは、「只見川でしか見られない川霧であり、歴史・信仰の里としての聖地の幻想性を演出するのに十分すぎるものであると思う。
日本人の霧への感性は、秋九月(旧暦)の季語としても歌われているのです。 「朝霧」「夕霧」「夜霧」「川霧」「海霧」「濃霧」「さ霧」「霧雨」→「霧動き・・・」「・・・霧の匂ひけり」(ホトトギス季寄せ) 「朝ぼらけ宇治の川霧たえだえにあらわれわたる瀬々のあじろ木」(源氏物語権中納言定頼) 「千鳥鳴く さほの川霧たちぬらし 山の木の葉も 色まさりゆく」(古今集壬生忠今) 「春はあけぼのやうやう白くなり行く山ぎは少しあかりて紫だちたる雲の細くたなびきたる」(枕草子清少納言) いかがですか、これこそ只見川のダムがもたらしてくれた資源です。
川霧フォトコンテスト、川霧の缶詰等々スモッグの中での生活している関東の方々は、ツアーを組んで来たくなるのではないでしょうか。 まさに五感に触れる幻想景観! モヤモヤしてないで、霧活用しませんか? まずはビューポイントにライブカメラをつけて世界に発信しましょう! 7月只見町の民宿の主人から「東京から川霧の写真撮影ツアーきたぞー」という話を届けてくれました。嬉しいですね。 僕が実際にこれに出会った時には、それこそ息を呑むような美しい風景でした。でも、気象条件によりますから、事前によくリサーチをして、狙いをつけてから赴くのがいいでしょう。 また、ビューポイントはどこかということも調べておいた方がいいです。 ま、たとえ川霧に出会えなかったとしても、がっかりする必要はありません。 只見川渓谷はいつ見ても素晴らしい風景なのですから。あはははは!
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