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その11「豆腐あっぞーの巻」 | |
今回のご紹介は、奥会津昭和村のとある豆腐屋さんの話。会津には、若松市内、会津坂下町、三島町ほか名店と呼ばれる豆腐屋さんが数多く、無類の豆腐好きの僕としても嬉しい限り。そんな中の一軒、酒井豆腐店の“堅くて味の濃い田舎豆腐”をピカイチ君が感動体験です。 昭和2年に合併したできた全国第3位、福島県第1位の高齢化率の昭和村。 博士山、駒止湿原等只見川の源流地域、豪雪地域である。 冬期間は国道400,401号ともに豪雪で年末からゴールデンウイーク前後まで通行止めとなる。 高齢化率は50%を超え、行政用語では限界自治体とも言われている。 しかし、のどかな山林風景と清冽な川とひっそりとたたずむ集落・・・。 からむしの里としても有名です。
役場の手前になんと写真のような看板が立てかけられていました。 引き返してみると豆腐屋さん! 自宅玄関に「豆腐あっぞー」(日本語訳:とうふあります。) 自宅脇の倉庫では豆腐を作っていました。 大きな声でごめん下さいというと奥さんが出てきました。 我々を珍しそうに・・・。
早速、豆腐下さい。食べていっていいですか? 「かまね~」(英訳:ok)。 お茶も出して頂き、さらに、玄関脇からなんとサンショウの実をとって、「これどいっしょにくどうめだから」(日本語訳:これと一緒に食べると美味しいですよ)と、なんと香ばしい品のある豆腐でありました。 水は只見川源流の地下水でとてもまろやかでした。 売り切れの時は、この看板の裏は・・・「豆腐ねぐなったぞー」(日本語訳:とうふなくなりました。) 殿様商売ではなく、地元、近くの集落から注文も多く、1丁100円。 15年間続けられていると言うことでした。
豪雪地の高齢化の集落は、厳しい自然の中で生きています。 様々な衣食住に知恵を使い、そのノー・ハウは現代のバブルの便利さではありません。 太陽エネルギーの生活です。 寄り添って生きているコミュニティーがあります。 笑顔があります。 うまい水と空気と安全な食と土とともに生きています。 この村に、関東圏から自然体験教育で2000人を超える子供たちが夏休みに合宿に来ます。 人は自然の中で生きるDNAが先史脳に刷り込まれて何万年も生きてきました。 だから森にはいると元気になるのです。
この奥会津が人間の生き方の原点を回帰させる空間として、評価される時代がまもなく来ると信じて疑わないのです。 腰のきいた豆腐とサンショウの実の後に残る渋みが忘れられなくなりました。 夏に冷奴、冬に湯豆腐と、豆腐は最高のツマミです。湯豆腐といえば、思い出されるのが久保田万太郎の名句・・・「湯豆腐や いのちのはての うすあかり」。あ~、早く冬になんないかな。 ←(思いつくと、すぐに食べたくなる人)
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