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  HUG  by 真魚

 鼓動は機械的に時を刻む

 時には不規則だが
 ほぼ規則的に鼓動は時を刻んでゆく
 自らの意志とは関係なく

 自らの鼓動を感じて
 安らぐこと
 それは稀だ

 心に余裕がなければ
 人の呼吸は浅く
 心の臓にもどっしりとした重みがない

 だから
 誰かの鼓動が聞こえる場所へ
 耳を近づけたくなるのだろう

 さすれば鼓動と同時に
 暖かな血の通った体温をも感じることが出来る
 その鼓動と体温は時に至福をもたらし
 人々を時には安堵へと誘うのだろう

 たとえ、ほんの束の間でさえ
 孤独と戦う者たちに安息の刻を与えるのだろう

 人と人がHUGすること
 それは、とても愛に溢れた儀式

 愛しさの抱擁
 労りの抱擁
 歓喜の抱擁
 慰めの抱擁

 それら、全てが気持ちを共有しているのだということを
 相手に伝えようとするミニマリズムな肉体表現なのだ

 感情を伝えるために複雑や難解な言葉の引用など
 まったく必要ではないことだと教えてくれる「HUG」
 それこそが真の言葉、なのだ
 言葉がない時代からの・・・

 もっと
 もっと、

 みんなをHUGしたい!
 みんなとHUGしたい!

 もっと
 もっと、

 みんなでHUGしよう・・


Poem by Mao
Image “HUG”
BGM by Naturally Art Studio "Tears in silence”
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