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  「桜桃の味」より忘れじの台詞  by 真魚

 トルコ人が医者に行って訴えた
 “先生 指で体を触るとあらゆる所が痛い
 頭を触ると頭が痛い 足を触ると足が痛い
 腹も痛い 手も痛い どこもかしこも痛い”

 医者は男を診察して こう言った
 “体は何ともない ただ指が折れてる”と

 あんたの体は何ともない
 ただ考えが病気なだけだ

 あんたの目が見てる世界は
 本当の世界と違う
 見方を変えれば 世界が変わる
 幸せな目で見れば 幸せな世界が見えるよ

 あの世から見に来たいほど
 美しい世界なのに
 あんたはあの世に行きたいのか

 自然には四季があるが
 四季それぞれで 違った果物がとれる
 この世のどんな母親も
 それほど果物を揃えられない
 どんなに子供を愛する母親も
 神には敵わない
 それほど神は 人を慈しんでる
 すべてを拒み すべてを諦めてしまうのか?
 桜桃の味を忘れてしまうのか?


Poem by Mao
BGM by Blue Piano Man "Twilight Silence”
Photo by たぬログ "芦ノ湖夜景"
Site Arranged by Habane

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アッバス・キアロスタミ監督の映画「桜桃の味」は1997年のイラン映画。“忘れじの台詞”は映画から記憶に残る台詞などをメモしたシリーズです。

 

 


 

真魚詩集
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