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 その37 皮肉なこと 

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“Walking Man” by Music of my Mind

葉羽 今回の記事は2007年10月に書かれたものです。

アメリカの医学博士のカッペキ氏がノーベル賞を受賞するという記事をYahooで見ました。

■ カッペキ博士 ノーベル賞受賞

そういう方の存在すら知らなかったのですが、報道によれば、彼はイタリア生まれ、第二次世界大戦中に母親が反政府活動のために強制収容所に送られたため、親類に預けられたが、生活に耐えられず家出し、その後しばらくストリート・チルドレンとして、路上で生活をしていたとのことです。

その後終戦を迎え、釈放された母親とともにアメリカへ、そして一生懸命勉強して、この度ノーベル賞をもらうほどの立派な研究者になったようです。

古きよきアメリカンドリームとでも呼ぶべき出来事ですが、受賞の対象となった研究は、簡単に言えば、一部の遺伝子が機能しないようにマウスを改造する方法とのことで、あんまり人道的な(?)研究ではないような気がします。

確かに医学の進歩には役に立つのだろうけれど、見方を変えれば生き物の命を弄んでいるようなもので、かつて暴走した政府が非人道的な行いで家族や自分を苦しめたのと同じ仕打ちを動物たちにしていることに、心が痛んだりしないのだろうかとちょっと不思議に思いました。

不幸な身の上の人が、成功をつかんだのは喜ばしいことですし、これが励みになる人たちもたくさんいるでしょうが、ちょっと皮肉な結果だなと思ったわけです。

■ 戦争再び?

皮肉といえば、かつて「角福戦争」を演じた二人の政治家の二代目が、今日国会の衆院決算行政監視委員会で対峙したそうですね。

残念ながら仕事で見られなかったのですが、報道によると、平壌宣言に署名する前に北朝鮮が日本に伝えてきた拉致被害者の「安否リスト」をすぐに公表しなかった判断について、当時官房長官だった福田氏に詰め寄ったところ、「私もいい年だから覚えていない」と答弁したそうです。

ずいぶん無責任な発言だなとも思いますし、田中氏自身「『年だから覚えていない』なんて、ひと昔もふた昔も前の自民党首相の答弁だ」と批判しているとのことですが、「記憶にございません。」という答弁を、当時の流行語にまでしてしまうきっかけとなるロッキード事件を起こしたのは、田中氏ご本人のお父上だというのも、なんだかやっぱり皮肉なことですね。

鞍馬【2020.7.28 リニューアル・アップ】

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