【日々回顧館だより】#017 兼
【常緑名画座だより】#050〜052 〜松本清張、横溝正史、水上勉の世界
昔、推理小説に嵌(は)まり、江戸川乱歩、小栗虫太郎、野村胡堂 、松本清張、高木彬光、横溝正史、笹沢左保、夏樹静子、森村誠一 、水上勉、和久峻三、栗本薫などなど数多くの推理作家の作品をむさぼり読んだ時期があった。
特に松本清張と横溝正史は市販されている殆どの作品に目を通し、清張作品の本格推理の面白さと横溝作品のおどろおどろしい世界に耽溺した。
清張の場合人気が高いのが①点と線②砂の器③ゼロの焦点④黒革の手帖⑤日本の黒い霧、横溝の場合は①八つ墓村②獄門島③本陣殺人事件④犬神家の一族⑤悪魔の手毬唄あたりだろうか。
我が家の書庫に何十冊も彼らの作品が鎮座していたのだが、断捨離しているうちにほとんどを手放してしまったのが、今となっては実に惜しい気がする。
こんな事を思い出しながら、昨日、今日と立て続けに3本の映画を見た。
1本目は松本清張の「砂の器」(1974)、2本目は横溝正史の「犬神家の一族」(1976)、3本目は水上勉の「飢餓海峡」(1965)。
「砂の器」は、ある殺人事件を発端に、刑事の捜査と犯罪者の動静を描いたもので、野村芳太郎監督作品。
清張原作映画の中でも特に傑作として高く評価され、毎日映画コンクール大賞を受賞。
丹波哲郎、森田健作、加藤剛、島田陽子、緒形拳、佐分利信らが熱演。
「犬神家の一族」は、角川映画の初作品で、市川崑監督・石坂浩二主演による名探偵・金田一耕助シリーズの第1作。
「波立つ水面から突き出た足」のシーンや不気味なマスク姿などの印象的な場面が多かった。報知映画賞作品賞受賞。
石坂浩二、島田陽子、あおい輝彦、高峰三枝子、草笛光子、金田龍之介らが出演。
「飢餓海峡」は、内田吐夢監督作品。
強盗放火事件と青函連絡船転覆事件の解明を通して戦後の貧困に喘ぐ時期を生きることになった多くの日本人の悲哀を描いた3時間超の長編映画。「日本映画の金字塔」と称され、キネマ旬報日本映画ベスト・テン第1位。
三國連太郎、伴淳三郎、高倉健、左幸子らが出演。
いずれも最近の映画にはない骨のある映画史上に輝く名作だ。
🎥 砂の器・予告編
https://www.youtube.com/watch?v=QX4DZ_4VOvY
🎥 飢餓海峡・予告編
https://www.youtube.com/watch?v=jHgeiDgxb6E
🎥 犬神家の一族・予告編
https://www.youtube.com/watch?v=dtjDZDSS-Qs
毒舌亭(2021.4.7up) |